人間は、眠ることで体や脳の疲れを回復します。健康な毎日を過ごすためには、睡眠が欠かせないのです。しかし、なかなか眠れない夜もあるでしょう。
次の日の仕事や学校のことを考えると出来るだけ早く眠りたいものですが、『早く寝なければ……』と思うほどに眠れなくなり、眠れないことに焦りを感じることもあるでしょう。
試験や大事な会議の前日に神経が昂っているために眠れないということは、よくあることですし、これは一時的なものです。けれども、何日も眠れない夜が続くと、体の疲労は溜まる一方で、『今夜は眠れるかな? 』と夜が来ることを不安に感じることもあると思います。
そこで、今回は眠れない夜が続いている方にお伝えしたい快眠テクニックをご紹介します。
今の睡眠環境を見直す
眠る時には、布団やベッドで横になります。横になった時には、自分の周囲の家具、寝具、壁、ドアなどが目に入ります。横になった時に見える景色は、寝付きに大きく関わっています。
眠ろうとした時に落ち着かない睡眠環境だと、寝付きが悪くなる原因となってしまいます。そこで、まずは睡眠環境の見直しをしてみましょう。
例えば、時計には針や文字盤が暗闇でも光る仕様になっているものがあります。こうした時計は暗闇でもすぐに時間を確認できるので便利です。
しかし、なかなか寝付けない時に時計が視界に入ったらどうでしょうか。『もう○時なのに寝付けない……』と焦りが強まってしまいます。この場合、横になった時に文字盤が視界に入らない角度に時計を置くことで対処できます。
また、ワンルームで暮らしていると、キッチンの家電や玄関のドアが視界に入ることもあります。この場合には、余計なものが目に入らない位置にベッドや布団を置くようにしたり、眠る場所の周りに仕切りを付けることで余計な刺激をシャットアウトすることが出来ます。
自分に合った寝具か確認する
寝具は、眠っている間を共にするものです。自分に合っていない寝具を使っていると、寝付きが悪くなったり、眠れても寝苦しさを感じることが発生します。
まず、掛け布団や毛布など体の上に掛かるものを確認しましょう。温かくして眠ることは大切ですが、体に掛けるものが重すぎると、上手に寝返りを打てないので安眠が妨げられてしまいます。
次に、枕を確認しましょう。人にはそれぞれ骨格の違いがあります。枕は眠っている間に頭や首を支えます。
この時、枕が低すぎても高すぎても首や肩に負担がかかってしまいます。寝具売り場に行くと自分に丁度いい枕の高さを測ってくれるところもありますし、折りたたんだバスタオルを重ねることで自分に合う枕の高さを調べることも出来ます。
眠る前にリラックスタイムを作る
人間には交感神経と副交感神経という二つの自律神経があります。副交感神経はリラックスをしている時に優位になる自律神経であり、副交感神経が優位になっていると寝付きが良くなります。
日中には会社や学校などで張り詰め、交感神経が優位になっていますが、眠る前にリラックスをすることで副交感神経を優位にすれば安眠に繋がります。
リラックスの方法は人それぞれですが、ストレッチやヨガで体を解すことも効果的です。また、この時に好きな香りのアロマを楽しみながら行えば香りからもリラックス効果を得られるので最適です。
就寝30分前からは携帯やパソコンを使わない
現代人にとってパソコンや携帯電話は欠かせないアイテムです。仕事のやり取りだけでなく、ゲーム、音楽、動画など様々なコンテンツをパソコンや携帯電話で楽しめます。
楽しむことはリラックスに繋がりそうにも思えますが、実は就寝前の携帯電話やパソコンは安眠を邪魔しているのです。
人は、蛍光灯のような明るい光を目にしていると交感神経が高まります。携帯電話やパソコンからは強い光が発せられているので、眠る前のリラックスだからと光を目にし続けていると交感神経が高まって寝付きが悪くなってしまうのです。ですから、就寝30分前からは、携帯電話やパソコンの使用を控え、目を休ませるようにしましょう。
寝る前の飲酒・喫煙を控える
人によっては、飲酒や喫煙がリラックスに繋がることもあります。親しい友人や家族と方の力を抜いてお酒を楽しむと心地がよく、アルコールの影響で眠気を催すこともあります。
このため、なかなか眠れない時にはアルコールが効くと思われがちですが、アルコールには利尿作用もあるので、眠ろうと布団に入っても何度もトイレに行きたくなり、安眠できなくなってしまいます。
また、寝付くためのアルコールを習慣にしているとアルコール依存症になってしまう危険性もあるので要注意です。
そして、喫煙はリラックス効果も得られますが、ニコチンの摂取は交感神経を高めますし、寝煙草は火事を引き起こす危険もあります。そのため、眠る前には喫煙を控えるようにしましょう。