目には見えないけれど、私たちが生きていくのに大切な『気』
元気、やる気、弱気など、日常的に言葉としても使われている『気』ですが、生命エネルギーをあらわす言葉でもあります。
その、生命エネルギーである気をともなった鍛錬のことを、『気功』と言い、さまざまな効果が期待できます。
もっとも簡単で誰でも経験があるのは、お腹や頭などが痛いときに、手のひらを当てる行為でしょう。
あなたも子どもの頃、お母さんにしてもらったことがあるのではありませんか?
『手当て』と言われるように、手のひらを痛いところに当てるだけで症状がやわらぐ気がするので、不思議です。
気功とは、とどこおりがちな生命エネルギーを循環させて、人間がもともと持っている治癒能力を最大限に引き出すものなのです。
気功とは?
気功とは、古代から中国に伝わる生命エネルギーの科学で、ずばり、気を整えて人を健康にしていく健康法です。
代替治療や民間療法と呼ばれるものや、修行として気を扱うものの総称として1950年代に中国で、『気功』という呼び名に統一されました。
血流が良くなり、体の滞りがなくなる
一番わかりやすい効果は、体を動かすことによって気が全身をめぐり、血流がよくなり、体内の滞りがなくなっていくことです。
全身の経絡(気の通り道)が開き、全身の細胞に働きかけていきます。
新しい酸素が体のすみずみまで送られ、体が温かくなってきます。
体温が上昇すれば、自然と免疫力があがるのです。
体に穏やかなリラックス効果を与えてくれる
ぽかぽかと体が温まってくることで、自然と体がほぐれてきます。
体のほぐれは、心もほぐします。
頑なな心をほぐすことで、気持ちが穏やかにリラックスしてきます。
また、気功の呼吸法に、腹式呼吸があります。これは、横隔膜を上下させる呼吸法です。
腹式呼吸は、副交感神経を刺激するため、気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。
ストレスがたまっていたり、緊張が続いたりすると、無意識に呼吸が浅くなってしまうものですが、そんなときには、腹式呼吸で深呼吸をしてみましょう。
体の内側から邪気をすべて出すつもりで、息を全部吐き、良い気を取り入れるつもりで深く息を吸い込みます。
きれいな気が体をめぐり、心身のストレスがやわらぐことでしょう。
髄液をだし、内臓の動きを良くする
気功は、脊髄を動かす運動が多いため、背骨、首を刺激をし、大脳に髄液をださせる指令をたくさん送ることになります。
この髄液は、頭蓋骨と背骨を行ったり来きたりして、神経の働きを良くしてくれます。
その結果、内臓が調和的に働き、消化が良くなったり、分泌物、老廃物が出るようになります。
そのため、健康になり、美しくなれるのです。
それに加えて、五臓(心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓)にそれぞれ働きかける動きが功法の中に組み込まれています。
この功法の素晴らしいところは、五臓それぞれの働きをサポートしてくれる効果はもちろん、感情を解放させる効果もあるところです。
心と体には密接な関係があって、心が穏やかでリラックスしている時は、体も元気でハツラツとした状態になっています。
五臓は感情をため込む臓器とも言われており、これらの感情を解放することで、心が穏やかになり、真の幸せを見いだすことができるようになるのです。
安眠効果
腹式呼吸による気功でリラックスできるようになると、体の緊張がほぐれて、眠りにつきやすくなります。
安眠効果をあげるために、寝る前にお布団の中に入って、横になった状態で、腹式呼吸を実践してみましょう。
自律神経の乱れを解消し、体もあたたまり、心地よく自然に眠れるようになるでしょう。
人生の3分の1から4分の1は、睡眠時間だといってもいいくらいです。
それほど大切な眠りですから、心と体の健康のためにも、試してみたいですね。
気功で快食快便
気功の呼吸法で、横隔膜を上下させると、腹部へ刺激を与えることによって、内臓の働きが良くなります。
消化吸収が活発になりますので、食欲不振の方は、食事をおいしく食べられるようになり、便秘に悩む人は、毎朝、スッキリすることができるでしょう。
便秘を解消することにより、お肌のトラブルも少なくなり、美容効果も期待できます。
おいしく食べて、しっかり出して、お肌もツルツルになるなんて、うれしいですね。
気功でストレッチ
気功の中に、体をでんでん太鼓のように振る、スワイショウという方法があります。
力を抜いて両腕と体を、ぶらんぶらんとひねるのです。
この方法は、ストレッチと同じ効果があります。
毛細血管を広げることで血行を良くし、気の流れがスムーズになります。
邪気が抜け、全身のストレスを取りのぞくので、肩こりなどの症状も、やわらぎます。
プラス思考
気功を行うと、心と体がリラックスして、血行が良くなり、細胞がいきいきとしてきます。
免疫機能が向上し、本来、誰もが持っている、自然な治癒能力が発揮されるようになります。
また、ストレスに悩まされることも少なくなり、心に余裕を持つこともできるようになるでしょう。
すると、様々な事に前向きになり、小さいことをあまり気にしなくなってきます。
心と体の両方に、とても大きく、うれしい効果を感じることができるはずです。
美容・ダイエット効果
功法を実際にやってみるとわかりますが、「ねじる、ひねる」動きがとても多いのが、気功の特徴でもあります。
このねじる、ひねる、肛門をきゅっと絞める動きが、確実にボディラインに効いてきます。
また、体を上下に揺らしてぷるぷるさせる、簡単な気功があります。
プルプル気功とか、ぷるぷる健康法と呼ばれている方法です。(注意:膝に痛みがあったり、激しい運動を禁止されている方は、控えてくださいね。)
この方法は、さまざまな格好で、体や手や足を、プルプルプルと動かすのですが、コツは、やはり力を抜くことです。
この気功を行うと、全身を振動させることで、体にたまった脂肪を燃やすので、ダイエット効果があります。
ここまでは予想通りの効果だったのではないでしょうか?
しかし、気功は地味な動きの中に、たくさんの秘密がつまっています。
その場で手を上げたり下げたり、体をひねったり、曲げたりしている中で、体内ではいろいろなことが実は起きているのです。
では、効果の中盤にはいっていきます。気功の驚きの効果とは!
瞑想状態となり、脳波をα波の状態にすることができる
実は、気功は筋肉運動が目的ではありません。
大脳に働きかけるのが目的です。
美容効果でもお伝しましたが、気功全体に言えることは、脊髄をよく動かしているということです。
首をねじり、後ろを肩越しに見たり、前屈、後屈はもちろん、功法によっては背骨の骨一つ一つをバラバラに順番に動かすような、しなやかな脊髄運動をおこなっていくことで、動きは首、そして頭部へと連動していくのです。
その結果、頭部は体に髄液を流すように指令をだし、内臓に髄液を届けることになるのです。
まるで、その動きは龍や蛇のように、しなやかに体内を駆け巡っていきます。
脳みその中からリッラクスしている状態になるので、深い休息を得ているのと同様の効果があるのです。
その時の脳波はズバリ! α波です。
α波の状態のときには、ひらめき、直感といった創造性を高める精神活動が活発に行われ、それに加えて集中力も増します。
その結果、すっきりと問題解決の糸口をみつけることができたりもするのです。
気が満ちて思い通りの人生を創造することができるようになる
気功では、気の通り道、経絡と呼ばれるものが身体にあるとされていますが、その大きな3つの出入り口を三門と呼んでいます。
『地門』は、足の裏にある湧泉
『天門』は、頭のてっぺんにある百会
にあり、この2つが大きな気の出入り口となっています。また、
『人門』と呼ばれる手のひらにある労宮
が、天地のエネルギーの交換をしています。
そして、この三門を開き、丹田を意識すると気が集まります。
体には、下丹田と言われるエネルギーの貯蔵庫があり、下丹田は、おへそから指2~3本分ぐらい下のあたりにあります。
ここで質問です。
腹が据わる、腹をくくる、腹を決める、と言った言葉の「腹」、一体どこの位置を指しているでしょうか?
実は、この下丹田のことなのです。
度胸がつく、自信がつく、覚悟を決める、決断するには、生命力、体力気力ともに満ち溢れていなければできません。
下丹田にエネルギーを蓄えることで、生命の源を身体に取り込み、気は人の体内に満ち満ちた状態になります。
さらに、気功の修練を繰り返しおこなうことで、健康になり、美しくなり、リラックスした日々を送ることができます。
直感、ひらめきで自分の人生を自由に創造できるエネルギーをしっかりと摂りいれた身体は、力と生命力に溢れています。
気功は、思い通りの人生を創造することを可能にしてくれます。
すべてはひとつ、宇宙とのつながりを体験する
陰陽を表す対極図をみたことはありますか?
勾玉(まがたま)の二つあわせたようなマークで黒と白で描かれています。
陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある図です。
宇宙は1つをふたつにわけた、そして常に陰があれば陽がある、健康に過ごすということは、実はこの陰陽バランスをとることであり、すべてのものとの調和を表しています。
功法を修練していくと、中庸、真ん中の状態にいくことができます。
何もない、でも心地の良い空間に身を委ねた時、宇宙とひとつになった体験をします。
その時の至福体験は、本当に生まれてきて良かった、自分が宇宙であり、宇宙が自分である、という体験になります。
人によってはオーラがみえたり、というギフトも用意されています。
まとめ
気功は、意外と簡単で取り組みやすく、大きな効果が期待できるのですが、誤った方法で行ったり、やり過ぎたりしてしまうと、危険な場合があります。
ですから、気功は無理をせず、体に負担にならないように注意しながら、楽しんで行うことが大切です。
心も体も力を抜いて生命エネルギーをきれいな気で満たし、血行を良くし、細胞を活性化させることで免疫力を上げるのです。
気功の効果に頼りすぎてはいけませんが、おおらかな気持ちで、自然に感謝し、邪気を追い払うことで、生きる力がわいてきますよ。
私は太極拳を2年やっているのですが、虚弱体質でしたのにすこぶる元気になってきました。
今では気も感じられ、思うように体温を上げられます。
こういう見えない力をもっと現代人は思い出すべきだと思います。
人は自分で癒せる能力がみんなあるのです。
気巧というと、様々な教室があり中には高額セミナーなどの怪しいところも混ざっているので、ご注意願いたいです。
私の通う太極拳教室は月4000円のみです。
2年も継続なされていて、素晴らしいですね。
また、健康を手に入れられてなによりです。
おっしゃるとおり、人は目に見えないものよりも目に見えるものを重要視しがちです。その意識を変えることができれば、色々な意味でもっと幸せになれるのではないかと私は思います。
話は変わりますが、気功の教室やセミナーにも、怪しいところがあるのですね・・・、寂しい限りです。