夢占いで、桜の夢が象徴するものとはなんでしょう?
桜は日本人の美意識にもっとも合致した花です。
日本人の美意識とは、季節の移ろい、儚さ、滅びゆく美、潔さ、諸行無常、諦観など、自然に身を任せて様々なことを感じながらも逆らわず、その時々を精いっぱい生きて散る、といった、いずれ必ず終末を迎えることを前提とした一瞬の輝きを大切にするのです。
もっとも突き詰めた表現をすれば、生きていくうえで、いつも「死」を意識しているということです。
その死生観から見ると、桜は美しく咲いてパッと散る、死や滅びを象徴するものとしてもっとも可憐で美しいものに映るのでしょう。
しかも、花の盛りの時期がわずかしかなく、散りゆくさまは見事で潔くて、昔から「死」を生活の中心に置いている日本人にはとても親しみが持てる花でした。
桜の夢は、とくに日本人が見た場合、あまりいい意味を持ちません。
儚さ、盛りの短さ、諸行無常、散財、そういったマイナスを示すことがほとんどです。
それでもその美しさは称えられるもので、儚い中にも一瞬のまばゆい輝きがあったり、素晴らしい出会いに恵まれたりする暗示である可能性もあります。
では、桜の夢は、具体的にあなたに何を伝えたがっているのでしょうか?
早速詳しく見ていきましょう。
桜の花びらの夢
桜の花びらの夢占いは、手元にお金が残らず散財し続けている状態を示す場合と、物事の終わりを示す場合の二通りがあります。
桜の花びらが風で一気に散る夢占いは、散財を示すとともに、今進めていることが一気に週末を迎える暗示です。
恋愛や仕事で、告白をしたり、新しいプロジェクトを進めたりする場合、予期しない結末をあっけなく迎える可能性があるため、心の準備をしておきましょう。
とくに、桜が散って寂しい印象が強い夢であれば、その結末は予想外であるとともに、物事が裏返る可能性があります。
もし桜吹雪が美しく、晴れやかな気持ちになる夢であれば、逆に素晴らしい幸運を示すこともあります。
一気に物事が進んで注目を浴びたり、思わぬ玉の輿に乗ったり、いずれも思ってもみない出来事が押し寄せる可能性があります。
桜吹雪の中かから誰かが登場した場合、その人が知っている人であれば事態のカギを握ることになりそうです。
もし見知らぬ人であれば、良くも悪くも、あなたが今まで無視してきたもうひとりの自分が何かをあなたに訴えかけるために、思わぬ事態を招き寄せようとしています。
起きる出来事は善悪とは関係のないところで常にもうひとりの自分である潜在意識からのメッセージです。
「こんな思いがけない出来事が起きるよ」
「その出来事にはこういった感情が伴うよ」
と夢を通じて一生懸命語りかけてくれる言葉に耳を傾けましょう。
桜の花びらが散って地面に降り積もる夢は、散財している額がかなり高額にのぼっている証拠です。
花びらを踏んでいる場合、散財したお金はあまり有益に使われていないあらわれで、ムダ遣いされてますよ、という夢からのメッセージです。
桜の花びらが肩に乗ったり、髪の上に乗る夢は、小さな幸運がもうすぐそこまで来ている暗示です。
桜が散る夢
桜が散る夢のうち、明らかに春ではない季節に桜が咲いたり散ったりしている夢は、タイミングを逃している暗示です。
散り方も、派手な散り方ほど散財や物事の終末があっけなく訪れることを示し、心の準備が必要ということです。
桜が散る中を誰かと歩いている夢は、あなたがその結末に対して受け入れる覚悟があり、対処できることを示しています。
自分を信じることができる状態なら、どんな事態になっても潔くきれいに処理することができるでしょう。
その人が懐かしい感じの人であれば、過去に記憶に封印した感情や、あまり思い出さなかった懐かしい記憶を取り戻して、新しい事態にも落ち着いて対処できるようになるでしょう。
満開の桜の夢
満開の桜の夢占いは、今この時が物事のピークであることを示しています。
これを吉夢と取るか凶夢と取るかは、各人の考え方によります。
どんなことでもピークがあり、そのピークがいつ来るかは誰にも予想がつきません。
ただ、一度ピークが来たあとでも、あとでまた違うピークが来るかもしれません。
今現実で進んでいる出来事を見てみましょう。
恋人ができて幸せである、慕わしい家族に囲まれている、学校の人間関係が良好である、など、よい状態ではないでしょうか。
ピークがすぎることを恐れる必要はありません。
どんな人も人間関係も出来事も、ずっと同じ形ではいられません。
目に見えない小さな変化が積み重なり、体も世の中も、昨日とは別の顔になっています。
変化を受け入れることで、ピークを迎えたら素直に喜ぶことができるし、ピークが過ぎてもまた新しいピークが来ることを待つことができます。
今この瞬間を楽しみましょう。
そして、何かをやらなければならないと思っているなら、今日今すぐに着手しましょう。
「いつやるの?今でしょ!」というフレーズが世の中に浸透しましたが、今を置いてやるときはない、と考えて着手すると、強運の間に事を片つけることができ、結果もよいものとなるでしょう。
桜の枝を折る夢
桜の枝を折る夢占いは、何かムリをしている暗示です。
日本で言う桜とは、おもにソメイヨシノで、ソメイヨシノは種子からは自生せず完全な園芸種です。
いわばすべてクローンで、遺伝子的に新種はあり得ず、同一の遺伝子のクローンを挿し木で増やして今に至っています。
生物学的にひ弱な樹木であり、枝を折ったり刈ったりするとすぐに枯れてしまいます。
ひ弱な桜の枝を折るということは、今この時しか見えていず、短絡的に行動している暗示です。
しかもその行動が、事態にダメージを与える可能性が大です。
今がどのような状態であれ、必ず事態は動きますし、ピークは過ぎ、悪いこともいつまでも続きません。
大らかな気持ちで、今を楽しみましょう。
桜の木の下に何かを埋める夢
桜の木の下に何かを埋める夢は、何か大きな目的のために犠牲にしているものがあることの暗示です。
犠牲、というと何かマイナスのイメージがありますが、実は、物事を達成するためには常に犠牲がつきものです。
高名なアニメでも言われているように、「何も捨てることができない者は、何も変えることができない」のです。
犠牲がどのようなものかによらず、何かを得るために何かを捨てるのは実は当たり前のことであり、この感覚がないと物事は何も達成できません。
そういう意味では、幸運になる覚悟を示す吉夢です。
一方で、絶対に失いなくないものがあり、それを永久保存しようと頑張っているのかもしれません。
そしてそういう努力はたいてい徒労に終わってしまいます。
失いたくないものに対する行為が間違っていますよ、と夢が教えてくれていると考えましょう。
あるいは、後ろめたいことがあったり、秘密を抱えていたり、何かやましいことがあるのかもしれません。
そういう場合、実はあまり心配要りません。
自分は秘密にしているつもりでも、実は周囲はみんな知っていることのほうが多いのです。
知っている、というより、気づいているし、気づいて受け入れているのかもしれません。
隠そうとしている態度がかなり深刻であり、同時に滑稽ですよ、という暗示の場合もあります。
花見の夢
花見の夢占いは、「よい時期は長く続きませんよ」という暗示です。
とくに異性と花見をしている場合、今の恋愛関係は長続きせず、すぐに移ろう運命であることを示しています。
恋人との大切な時間を過ごしてください。
まとめ
桜の夢、いかがでしたでしょうか?
桜は日本のシンボルであり、最近では海外にも花見文化が広がってきました。
米国にも日本が寄贈した桜が満開を迎えるころ、人々が花見に出かけて楽しんでいます。
桜には、バラの華やかさはありません。
それでも人を惹きつけてやまないのは、盛りが非常に短いからこそ、その美しさに感じ入り、盛りの時期を貴重に思える日本式の感じ方が広がっていることもあるかもしれません。
どんなことにもピークがあり、そのピークはいつまでも続かないものです。
平家物語にあるように「諸行無常」であるからこそ、今この瞬間を大切に生きること、わたしたちにできることはこれだけです。
今を大切に生きること、その象徴が桜である、ともいえます。
ピークが短かろうと、間近に終わりが迫っていようと、その瞬間の美しさは変わることが無く、また季節は巡って花が咲くときがやってきます。
桜の花の夢は全般的にあまりよい意味を持ちませんが、桜を愛でる気持ちは、人生を生きるにおいて大切な、自然の流れに身を任せつつ、しっかりと今を生きることにつながっています。
人生には、「今この瞬間」しか存在しないのです。