ヨガをするうえで、最も大事なこと、肝心なことは、呼吸法だといわれています。
でも、呼吸法というと、自分のものにするまでに時間がかかりそうな、なんだか難しいイメージがありますよね?
でも、もちろん大丈夫です。
実は、ヨガにはさまざまな呼吸法があるんです。
ヨガは、上達するにつれて、呼吸を自由自在にコントロールできるようになります。
まずはとりあえず、すぐにできそうな呼吸法から始めてみてはいかがでしょうか?
腹式呼吸
ヨガで最も基本となる呼吸法です。
リラックス効果、身体を温める効果があります。
ちょっとした合間でも、すぐに実践できる、とても役立つ呼吸法です。
また、冷え症、便秘、生理不順などの改善にも効果があるといわれています。
腹式呼吸のやり方
- おへその下を膨らませるように、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
- 膨らんだお腹をへこませるように、息をゆっくり、ゆっくり吐き出します。
これを繰り返します。
胸式呼吸
息を吸い込みながら、胸を膨らませる呼吸法のことを胸式呼吸法と言います。
ピラティスや、ラジオ体操に用いられる呼吸法です。
リラックス効果のある腹式呼吸とは違って、胸式呼吸は、交感神経を活発にする働きがあり、基礎代謝がUPする、姿勢がよくなるといった効果があります。
丹田呼吸
丹田はオヘソから5cmほど下にありますが、この丹田を意識して行う腹式呼吸のことを丹田呼吸法といいます。
ちなみに、丹田に手のひらを当てると、丹田を意識しやすいです。
丹田呼吸のやり方
- まず息を吐き切ります。
- 吐き切ると、自然と鼻から息を吸い込むことができます。
- そして、丹田を意識して息を吸い込みます。
これを繰り返します。
丹田呼吸をすると、脳波がアルファ波になりますので、リラックス効果があり、集中力がアップするといわれています。
心身のバランスを取り、安定感をもたらしてくれます。
そのうえ、丹田呼吸法には、潜在意識と繋いでくれるといった、スピリチュアル効果もあり、生命エネルギーを強化するともいわれており、心強い味方として広く知られています。
完全呼吸法
腹式呼吸、胸式呼吸、肩(鎖骨)呼吸すべてを使う呼吸法です。
最少のエネルギーで、最大の効果が得られると言われています。
ポイントは、丹田を意識して呼吸を行うことです。
酸素を多く取り入れることができるため、呼吸機能を高めることができます。
リラックス効果があり、心を落ち着かせることができます。
完全呼吸法のやり方
- まず息を吐く→お腹を膨らませるようにゆっくり息を吸う→胸を突き出すように膨らませる(胸式呼吸)→肩を持ち上げる(鎖骨呼吸)
- ゆっくり息を吐きながら肩を下ろす→胸を下ろす→お腹をへこます
この流れで、何度か繰り返します。
ハタ呼吸法
安眠効果のある呼吸法です。
片鼻を交互に指で押さえて行いますので、雑念などで気が散るといったこともなく、集中して行えます。
ヨガでは、ハは「太陽(陽)」、タは「月(陰)」を表しており、右の鼻は「陽」、左の鼻は「陰」と繋がっていると言われています。
右から吸うと、身体を温める、活力が満ちてくる効果があります。
左から吸うと、ほてった身体を落ち着ける、気持ちを穏やかにする効果があります。
ハタ呼吸法のやり方
- 楽な姿勢で座ります。
- 右手の親指は、右の小鼻に当て、薬指と小指は左の小鼻に当て、人差し指と中指は眉間を押さえます。
- 両鼻から息を吐き切ります。
活力を得たいときは右から吸い、気持ちを落ち着けたいときは左から吸います。
このようにハタ呼吸法は、心身を整えることができます。
カパラバディ呼吸法
ハタ・ヨガから生まれた呼吸法です。
カパラバティとは『光る頭蓋骨』という意味です。
カパラバディ呼吸法の効果ですが、肺や頭の空気が喚起されて、頭がスッキリします。
また、腹筋、横隔膜、内臓を強化する効果が期待できます。
カパラバティ呼吸法のやり方
- 上半身が安定する座り方で座る。
- 軽く目を閉じる。
- お腹の力だけを使って、吐く息だけに意識を集中させる。
- 腹部の力を使って背中に押し込むようにしながら、鼻から思いっきり息を吐く。
始めは、ゆっくりしたペースで20回ほど続けます。
200回、300回まで増やしていきますが、そこまでできるようになるには、訓練と時間を要します。
理想としては1分間に120回ほどです。
カパラバティ呼吸法は非常に高度で、危険性も高い呼吸法ですので、必ず指導者のもとで、練習を行うようにしてください。
※カパラバティ呼吸法をやってはいけない人
妊婦、生理中の人、手術後の人、めまい、てんかん、高血圧、ヘルニア、卒中、心臓疾患、胃潰瘍、胃腸トラブルのある人
マントラ呼吸法
方法はいたって簡単ですので、ちょっとしたすき間時間に行うこともできます。
瞑想効果もあり、毎日でも実践したい呼吸法です。
- まず頭の中で、2つの音に集中し、唱えます。
- 息を吸う時は「アー」、吐く時は「オーム」と頭の中で唱え続けます。
- 大事なことは、心を一点にとどめて「アー」と、「オーム」という音に集中することです。
唱え続けることで、雑念を追い払い、心がクリアになり、頭はスッキリし、集中力と、判断力がUPします。
また、ストレス解消法としても、非常に役立つ呼吸法です。
頭のなかは、常に何かを思ったり、考えたりしていますが、雑念が占める割合は、案外大きいのではないでしょうか?
その雑念を取り除くと、心にゆとりと幅ができますので、ひらめきなど創造力も増します。
深い瞑想状態に入ることができるので、とてもスピリチュアルな呼吸法でもあります。
ところで、マントラとは、サンスクリットで「文字」「言葉」を意味しており、真言のことでもあります。
真言(真実の言葉)は、音が重要だと言われていますが、オーム(AUM)は聖音であり、最も神聖なマントラとされています。まさに、言霊パワーを活かした呼吸法です。
真言についてもっと知りたい方は、こちらが参考になります。 >> 願いが叶う5つの真言
マントラについてもっと知りたい方は、こちらが参考になります。 >> 7つのマントラを唱え、幸運を掴む方法
まとめ
Wikipediaには、呼吸法について、こう書かれています。
『呼吸法(こきゅうほう)とは、呼吸のしかた、息のしかたによって心や身体の機能を向上させることを目指す訓練方法。』
呼吸法は、練習、実践することで、確実に上達します。
呼吸法を続けることによって、身体の機能が向上し、きっと、さらに素敵なあなたと出会えること、まちがいありません。