カタルシスという言葉を聞いたことがありますか?
心理学の分野や精神医学の分野では、カタルシスとは、よく知られた言葉です。
誰しも、悩みや、人に言えないことを抱えて生きています。悩みや問題を一人で抱えて、抑圧しすぎると、それが、ある時、ストレスがかかった時に、思いもしない時に、思いもしない形で表出することがあります。
そんな時に、心の鎖を解き放つカギになるのがカタルシスです。
メンタルヘルスを考えた時には、抑圧しているものが、良くない形で表出する前に、上手く発散させることが大切です。
それでは、カタルシスとは何かと言うことと、具体的にどのような方法でそれを体験することができるのでしょうか、掘り下げてみましょう。
精神的健康を得ることができるカタルシス
ある人の心の中に抑圧されている外傷体験や欲求や感情などを何らかの方法で発散させることによって、精神的な健康を得る方法をカタルシスといいます。
または、そのような方法による効果を指してカタルシス効果といいます。
始まり
かつて、精神医学者ブロイラーがヒステリー治療に用いたものに催眠浄化法というものがありました。
また、ブロイラーの共同研究者のフロイトは、すべての神経症の原因が感情を抑圧することにあるとして、浄化法を用いました。
それをカタルシスといいます。
フロイトも自分自身が神経症に悩んだ一人でした。
いろいろな療法
今では、カタルシスは、自律訓練法や一般の面接でもその効果が認められると考えられています。
特に、絵画を描いたり、陶芸をしたりという芸術療法や歌を歌うことや楽器を演奏する音楽療法などや集団精神療法などのグループにおける集団力学を用いたグループ体験や、心理劇、さらには映画観賞や観劇、スポーツ体験などの効果の一つとして報告されることが多い精神療法です。
心理劇
ルーマニア生まれのユダヤ人の精神科医であるモレノによって提唱された心理療法の一つです。
サイコドラマとも言われます。
この第一の目的はカタルシスです。
第二の目的はドラマティックな状況の中で演じることで、演者の自発性を引き出すことです。
監督(治療者)の指定するテーマに沿って、演者(患者)、補助自我、観客(患者集団)が舞台において筋書きのない即興劇を展開することで補助自我は、演者(患者)が状況の中で十分に自己表現ができ、自発性を出せるように援助します。
その演技の中で、役割の取得や役割演技が成立するように、補助する人は手伝います。心理劇が成功すると、演者の間に真のコミュニケーション(出会い)が生まれます。心理劇に参加する全員が一体となります。
本来は集団精神療法として、専門技術者の中で行われます。現在は教育、看護、福祉、矯正、産業など幅広い領域で活用されています。
面接での相談
相談機関で、相談をする時に、相談を受ける人は一定の心理学等の勉強をして、相談にあたります。
相談者は共感や支持されながら、傾聴される中で、心の悩みを話すことができるとされています。病院での心理カウンセリングや医療相談で、ソーシャルワーカーなどがその技術を使います。
個人情報が保護された上で、相談者は、誰にも言えなかった悩みや自分で気づかなかった問題を知ることもできます。相談者の方にも心を開くという力量が必要です。
話をするということ自体が、自発的な自己表現になり、ひと時でも、心が解き放たれます。
誰かに悩みを聞いてもらう
人には言えないような、大変な悩みや問題を抱えてしまった時に、自分自身でも受け入れないような時もあります。
あまりにショックで、眠れなくなったり、自律神経失調症になって、身体的にもいろいろと症状が出ることもあります。
たとえば、血圧が急に高血圧になったり、手が震えたり、動悸がしたり、めまいがしたり、立っていられないぐらいしんどくなったりということもあります。物が揺れるように見えたりすることは、実は眼振が起きているということもあります。耳鳴りがしたり、フラッシュをたかれたように何度も目をつぶるとまぶしいということもあります。
これらのことを放って置くと、さらに進んだ症状になったり、精神的な病気になったりします。このような症状の初期に、心に抱えたことを否定されずに誰かに聞いてもらうことで、それだけで、とても心が救われることがあります。
これも、カタルシスの一つになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
知っていると知らないとでは、精神的な健康に違いがでる言葉のカタルシスです。この効果を知って、自分のメンタルヘルスや自分の大切な人のメンタルヘルスを守りましょう。