現代の日本では、不眠症に悩まされている方が多くいらっしゃいます。
不眠症になっているという自覚のある方以外にも、不眠症の症状が表れているのに自分では不眠症だと気付いていない方もいらっしゃるので、不眠症で悩んでいる人の数は、実は、かなり多いと言われています。
不眠症の原因には、他の疾患からの影響、ストレス、生活習慣など様々な原因があります。
また、不眠症の症状と聞くとなかなか寝付けない症状を想像される方が多いかもしれませんが、不眠症には寝付きが悪い入眠障害、夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、予定よりも早くに目が覚めてしまう早朝覚醒、眠りの浅い熟眠障害など症状も様々です。
睡眠に悩む日々が続き、自分は不眠症ではないかと思えた方は、自分がどのパターンに当てはまるのか、その原因は何なのかを見極めて適切な対処をすることで不眠症を改善出来ます。
不眠症の改善法は多くありますが、今回はその中からスタンダードなものをご紹介いたします。
生活習慣を見直す
生活習慣は、睡眠とも大きく関わっています。
体内時計という単語を皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。人間の体には活動に適したサイクルというものがあります。
例えば、睡眠にはセロトニンやメラトニンといったホルモンが必要です。これらの睡眠ホルモンを正常に分泌させるためには、朝目覚めて太陽の光を浴びることが大切です。
夜勤のある仕事をしていると、生活サイクルを仕事に合わせなくてはいけませんが、そうした理由も無く、昼夜逆転の生活を送ることは体内時計の乱れを引き起こしてしまいますので、生活サイクルを直すように心がけましょう。
また、生活習慣を見直す際に急激に生活サイクルを変えてしまうと体に負担がかかってしまいますので、時間をかけてゆっくりと体内時計を元に戻すようにするといいでしょう。
ストレスを溜めこまない
ストレスは不眠症を招く原因の一つです。心配事があると、なかなか眠れなくなってしまう経験のある方も多くいらっしゃるでしょう。
ストレスは心の健康にも、睡眠にもよくありません。いらいらした気分を抱えていれば、交感神経が昂ってしまうので、寝付きも悪くなってしまうのです。
また、ストレスを抱え続けていると不眠症だけでなく、うつ病など別の病気を引き起こすこともあります。ですから、ぐっすり眠るためにも、健康に過ごすためにもストレスを溜めこまないようにすることが大切です。
軽い運動を取り入れる<
運動と睡眠は対極に位置するようにも思えますが、運動は良質の睡眠へ導いてくれます。
デスクワークをしていると運動不足になりがちです。しかし、体の負担にならない、程度の軽い運動を日常生活に取り入れれば運動不足が解消され、心地の良い疲労感は寝付きを良くしてくれます。
また、ヨガやストレッチも運動に当てはまります。こうした運動を眠る前にゆっくりと行えば、体の血流が改善され、リラックス効果を得られます。
そして、リラックスをすることによって副交感神経が優位になるので、寝付きやすい状態になれるのです。
>眠る前に温かいものを飲む
就寝前に、一日の自分を労うようにお酒を飲むことが気分転換になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、就寝前に飲むのならば温かい飲み物がおすすめです。
例えば、ホットミルクや温かいカモミールティーがいいでしょう。冷たい飲み物を喉に流し込むと爽快感を味わえますが、体の冷えを引き起こし、眠ってからも何度もトイレに行きたくなって目が覚めてしまう場合があります。
何度も目が覚めていると、睡眠も浅いものしか取れないので、ある程度の睡眠時間を確保できたとしても、起きた時に体がすっきりしない状態になってしまいます。
温かい飲み物はゆっくりとしか飲めませんし、温かいものを飲むことで体の内側から温めることが出来るので、不眠症を改善するには効果的です。
専門家に相談をする
何日も眠れない日々が続いていると、『自分は不眠症なのではないか』という不安が頭をよぎるかもしれません。
最近では、ドラッグストアでも寝付きを良くする薬が販売されていますから、寝付きの悪い日々が続いた時にはそうした薬で対処されている方もいらっしゃるかと思います。その対処法は決して間違いではないのですが、不眠症は人によって症状や原因が異なります。
ですから、薬で対処するにしても自分のタイプに合ったものでないとあまり効果は得られません。もしも、自分が不眠症ではないかと思われたら、医師や専門家に相談することをおすすめします。
専門家に相談することによって、自分の不眠症のタイプや正しい対処法を知ることが出来ます。そして、その時の症状を緩和するだけでなく、完治に向けて治療することが出来るのです。