人は生まれてからその命を終えるまで、挫折や成功、喜びや悲しみと共に人生の節目を迎えていきます。
今の状況が永遠のように感じるかもしれませんが、目に見えない変化は日々起きています。
幸せなことも辛いことも、ずっと続くわけではありません。
めまぐるしく変わる毎日についていけないこともありますが、人生の節目に合わせて自分も変わらなければならないのです。
ときには受け入れられないことも、迷うこともあるでしょう。環境が変わるとストレスも生まれます。
人はいつまでも同じ場所で、同じ考えのまま、同じ人と変わらずにいられるわけではないのです。
進級すればクラスは変わり、進学すれば新しい仲間と出会い、就職すれば世代も性別も違う人と仕事をしていかなければなりません。
人生の伴侶に巡り会い、結婚すれば親元を離れることになる人もいるでしょう。
新しい家族ができ、子供が生まれれば、独身の頃と同じように過ごすことはできなくなります。交友関係も変わるかもしれません。
戸惑うこともあると思いますが、それでも前に進んでいかなければならないのです。
人生の節目とはどんなものか、何が起こりうるかを想定しておけば、振り回されることなく、そのときを迎えることができます。
人生の節目について詳しく見ていきましょう。
人生の節目とは
ロシアの作家であるアントン・チェーホフは、人生を竹に見立ててこう言いました。
『大きな出来事は竹の節であり、節と節の間にある生活の連続こそが人生である。』
人は何でもないような毎日を過ごしているようで、あるとき節目がやってくると重要な選択を求められます。
そして、その後はこれまでとは異なる環境の中で、非連続のものへ変化をしていきます。
竹は節目が多ければ多いほど「根が太い」と言われています。
たくさんの節目を経験する事で、人間の器も大きく太くなっていくものなのかもしれません。
それでは、人生の節目と言えるターニングポイントには、どんなものがあるのかライフステージを挙げてみましょう。
- 誕生
- 幼稚園
- 小学校
- 中学校
- 受験
- 高校
- 初めてのアルバイト
- 大学
- 就職
- 転職
- 結婚
- 家の購入
- 子の誕生
- 子の進学
- 子の結婚
- 孫の誕生
- 親の死
- 友人の死
- 配偶者の死
- 自分の死
それぞれの節目と節目の間には、語り尽くせないほどの喜びや悲しみがありますし、全ての人が同じ人生を辿るわけではありません。
人によって少し内容は違っても、これらのライフステージが人生の節目となることでしょう。
あなたの人生の節目は、今どのステージにありますか?
人生の節目に起こる変化
自分の人生を計画的に進めていくことができる人であったとしても、時間だけは全ての人に平等に与えられ、抗うことはできません。
ときに強制的に変化は起きます。
高校生活の3年間、楽しい青春の真っ只中にいたとしましょう。
仲の良い友達と毎日笑って過ごし、部活を楽しみ、青春を謳歌できたとしても、許される時間はたった3年間。
どんなに友達と離れたくなくても、大人になりたくないと願っても、卒業という節目は待ってくれません。
社会人になってからも、会社に所属している人は自分がしたい仕事を自由に選べることは少なく、異動や転勤の辞令には従うしかありません。
人生の節目を迎え、多くの出会いと別れを経験し、環境が変わることで、私たちは目に見えない大きなストレスにさらされます。
人生は自分だけのものではなく、家族や友人にも影響を与えるものであることに、気づくことにもなるでしょう。
理不尽なことにぶち当たると、変化の波に乗れず、体調を崩してしまうこともあります。
木の幹がポキッと折れてしまわないよう、変化にも対応できる柔軟性を身に着けておく必要があるのです。
人生の節目とキャリア
子供の頃は、時間の流れを長く感じたことと思います。
特に小学生の頃は、毎日宿題が嫌だなとか、早く大人になりたいなと思っていた人も多いのではないでしょうか。
しかし、大人になるとどうでしょう。
年を取るごとに、1年が過ぎていくのが早く感じませんか?
その理由の1つとして、社会人になると、学生だった頃のように『1年で1学年進級する』というタームが無いことが挙げられます。
明確な節目の区切りがないため、ターニングポイントがよりわかりにくくなっているからです。
キャリアが積めているのか、ただ漫然と日々をやりすごしているのかは、自己責任。
そのため、自ら人生の節目を乗り越える大きな成果を挙げるために、努力をしなければなりません。
社会人になってから、なかなか1つの仕事が続かない人がいたとします。
この場合は、どんなに多くの会社を転々としても、節目を乗り越えたことにはなりません。
できなかったことができるようになった、後輩に指導するようになった、仕事で成果を挙げた・・・
このように、これまでの自分から1歩進んで成長できて初めて、人生の節目を乗り越えたことになります。
特に、女性がキャリアを築いていくうえで考えなければならないのは、結婚後の働き方。出産しても家庭との両立をしていけるのかということです。
今の時代、寿退社をする人は少なくなりましたし、産休・育休を経て職場復帰する人は増えてきました。
しかしながら、どうしても働き方を変えなければならない人もいることは事実です。
人生の節目ではどの道を選択すべきか必ず迷いますが、価値観も環境も人によって異なり、画一的な正解はありません。
自分が大切にしたいものは何かを考えてみると、答えが出しやすくなるかもしれませんね。
過去に捕われず次のステージへ進むためには
盛者必衰のこの世の中にあっては、残念ながら楽しいことも永遠に続くわけではありません。
輝きを失ったとき、人はどうしても過去の栄光にすがりつきたくなるものです。
しかし、いつまでも過去に捕われず先へ進まなければ、人生の節目を越えることができません。
どの道を選択するにせよ、答えを出さなければならないのです。
時間は待ってはくれず、いつまでも同じ場所に留まっていることはできません。
このまま変わらずにいたいと願っても、運命の車輪は止まることなく回り続けるのです。
何も決断しないでいると、気づいたときには遠くまで流されてしまい、ただ漫然と時間だけが過ぎてしまうだけ。
大切なのは、自分にとって最良の道を自ら選択することです。
自分で決めた道であれば、たとえうまくいかないことがあっても後悔することはないでしょう。
この道を選んだら、こんな毎日を過ごすだろうということを、より具体的にイメージしてみるのです。
そのうえで、よりしっくりくる、自分に合った道を選べば良いのです。
とはいえ、人生は思い通りにはならないものですから、描いた通りになるとは限りません。
そうなったら、都度、軌道修正をすれば良いのです。
もし違う人生を選んでいたなら、もっと幸せだったかもしれない、と悔いることがあるかもしれません。
しかし、『もっと幸せな人生』なんてものは存在すらしていません。
今は今しかなく、架空の人生を想像することに意味はありません。
過去は変えられませんから、今これからできることを考えましょう。
気づいたときがベストタイミングです。遅すぎることなどありません。
まとめ
人には、それぞれ異なるライフステージがあります。
変わらないように見える日々も、同じ日なんて1日もありません。
目に見えないところで、少しずつ変化は起きています。
その中でも大きい変化のターニングポイントとなるのが「人生の節目」です。
人生の節目では、岐路に立たされ、迷い悩むことも多々あるでしょう。
それでもどの道をとるか、自分で決めなければなりません。
晩年、自分の人生を振り返ったとき、節が多く、丈夫な竹であれるように、今を過ごしていけたら良いですね。