カバラの思想をベースとしていて、高次元の世界から物質界までを表した「セフィロトの樹(生命の樹)」に対して、「クリフォトの樹(邪悪の樹)」というものがあります。
『邪悪』というだけで不穏なものを感じますね?
まだすべてが解明されていないものの、「セフィロト樹(生命の樹)」はよく知られており、いまだに人々を惹きつけていますが、「クリフォトの樹(邪悪の樹)」はその性質からかあまり知られていません。
今回は、そんなクリフォトの樹について、掘り下げていきます。
クリフォトの樹(邪悪の樹)とは?
クリフォトの樹(邪悪の樹)というのは「Tree of Evil」の日本語訳です。
「セフィロトの樹」はセフィラと呼ばれる「10個の光の球」で構成されていますが、「クリフォトの樹」はクリファーと呼ばれる「10個の殻」で構成されています。
クリフォトの樹はセフィロトの樹を上下逆にした図象なので、「逆さまの樹」とも呼ばれ、セフィロトの樹の一番下の10番目のセフィラ「マルクト」のさらに下につながっています。
生命の樹が「高次の光」を目指していくのに対して、邪悪の樹は「虚無」の世界に引き込まれていきます。
また、クリファーは「抜け殻」とも言われています。
「光」の反対語の「闇」でなく、「虚無」だということがとても興味深いですね。
クリファーとは?
クリフォトはクリファーは複数形です。
セフィラと同じように、クリファーにもそれぞれ名前がつけられていて、その順番は上から次のようになります。
位置 | 名前 | 意味 | 悪魔 |
---|---|---|---|
10i | キムラヌート | 物質主義 | ナヘマー |
9i | アィーアツブス | 不安定 | リリス |
8i | ケムダー | 貪欲 | アドラメレク |
7i | ツァーカブ | 色欲 | バアル |
6i | カイツール | 醜悪 | ベルフェゴール |
5i | アクゼリュス | 残酷 | アスモデウス |
4i | アディシュス | 無感動 | アスタロト |
3i | シェリダー | 拒絶 | ルキフグス |
2i | エーイーリー | 愚鈍 | ベルゼブブ |
1i | バチカル | 無神論 | サタン |
日本語訳に注目すると、私たちに全く関係ないとは言い切れないどころか、割と身近なものであることに驚きます。
クリフォトは、人間ならだれもが持っている要素を示しており、人間は簡単に闇の世界へ落ちてしまうということも意味しています。
さらには、『現代社会に生きる多くの人が、邪悪の樹の影響を受けている』とも言われているのです。
クリフォトの樹の世界に入っていくとどうなるの?
高次の光の世界よりもクリフォトの樹の暗黒の世界はすぐそばにあって、簡単に落ちてしまいます。
ちょっと怖い気もしますが、クリフォトの樹の世界に入ってしまうとどうなるのでしょうか?
クリフォトの樹の世界に入ると、生命エネルギーが流出していくといわれています。
虚無の世界へエネルギーがどんどん流出していきますので、次第に判断力や生命力などが低下して、最悪の場合は命を落とすこともあります。
生命エネルギーが無くなっていくと、とにかく、やる気が失われていくのです。
そうすると、クリファーにある「不安定」や「無感動」、「愚沌」「拒絶」などの状態に次第になっていくことは簡単に想像できるでしょう。
そこから、さらに生命エネルギーが失われていくのですから、生きていても死んでいるような状態だったり、実際に病気になったり、精神的に病んだりして、やがて命を落としてしまうことになります。
命を落とさなかったとしても、クリフォトと同化してしまうと、人を傷つけるのが平気になってきます。
そのため、サイコパスは生まれながらにしてクリフォトとつながっているとも言われています。
私たちは、どんな悪人でも、良心のかけらくらいは持ち合わせていると考えていますが、サイコパスとはそんな考えが通用しない特殊な人格を持った人のことを指します。
また、霊的にクリフォトとつながってしまうと、「エナジーバンパイア」と言われる、そばにいるだけでエネルギーを奪い、虚無の世界に送る存在になってしまいます。
クリフォトの樹と悪魔
セフィロトの樹のそれぞれのセフィラに対応する天使がいるのと同じように、クリフォトの樹にもそれぞれのクリファーに対応する悪魔がいます。
クリフォトの樹は虚無に近づくほど上位になり、最下位のクリフォトは一番物質世界に近いところにあります。
クリフォトの樹はセフィロトの樹ほど研究されていないので、悪魔との関係もあまりよくわかっていなかったり、解釈によって違ったりしています。
位 | 位置 | 悪魔 | 意味 |
---|---|---|---|
上位 | 1i | サタン | 2つの争う勢力 |
上位 | 2i | ベルゼブブ | 妨害者 |
上位 | 3i | ルキフグス | 隠匿者 |
中位 | 4i | アシュタロト | 粉砕者 |
中位 | 5i | アスモデウス | 焼却者 |
中位 | 6i | ベルフェゴール | 論争者 |
下位 | 7i | バアル | 離散の大鴉(おおからす) |
下位 | 8i | アドラメレク | 欺く者 |
下位 | 9i | リリス | わいせつ者 |
最下位 | 10i | ナマヘー | 邪悪な女 |
『悪』のクリフォトと『善』のセフィロト
セフィロトの樹のセフィラは「善」を、クリフォトの樹のクリファーは「悪」を示しています。
解釈にもよりますが、善と悪は表裏一体で、善の中に悪を見出すこともあれば、その逆もあります。
均衡を保つことが不可欠なセフィロトの樹の均衡が破られたとき、そのバランスは崩れクリフォトの樹となります。
しかし、「悪」を切り離すことはできないので、消してしまおうとすることは無駄なことです。
そのため、クリフォトの樹の本当のテーマは、人が陥りやすい「悪」を切り離したり、消したりするのではなく、バランスが崩れたところを見つけて補い、再びバランスを取り戻すことによって、再びセフィロトの樹へと戻っていけることを示していると考えることができます。
まとめ
いかがでしたか?
セフィロトの樹より研究が進んでいないクリフォトの樹ですが、誰でも持っている「悪」の側面を表しています。
人間は必ず、善悪の両面を持っています。
「悪」の面を見つめて受け入れることで、人間としての深みが増していきます。
クリフォトの樹の世界へ踏み込まないようセフィロトの樹を基にして、日々研鑽することも大切ですが、入り込んでしまったときに抜け出す方法を事前に知っておくことは、それ以上に大切ですね。
こうしてみると、デート・ア・ライブって凄いこれらをもとにしてつくられてるよね。最初はただのラブコメだと思ってたんだけどなぁ