物事を瞬時に理解してスムーズに動くことが苦手、という人は多くいます。頭の回転を速くすればいい、とわかっていても、いきなりできるようになるわけではありませんよね。
本人にとっては切実な悩みで、一生コンプレックスに感じてしまう場合も少なくありません。しかし、工夫次第で、頭の回転を速くすることは可能です。
あなたの周りに、頭の回転の速い人はいますか? その人は、周りからどんな風に認識されているでしょう?
例えば、
・仕事のスピードが速い
・会議中の発言が的を射ている
・日常会話にユーモアがある
このように思われていることが多いはずです。この特徴を掘り下げていくと、
『頭の回転が速い』=『理解するのが速い』『言動が的確である』
という要素に分けられます。その人の頭の中で行われていることと、表向きに見えていること、つまり、『内側の動き』と『外側の動き』に分けられるのです。
今この場だけでなく、一生ものの頭の回転を手に入れるために、ちょっとしたコツをお伝えしましょう。
内側の動き - 『なぜ』を考えながら観察する
『なぜ』を考えながら周りを観察してみると、状況を理解する力が高まります。具体的には、以下のようなアンテナの張り方をしてみます。
・あの店は『なぜ』繁盛しているのか
・あの人は『なぜ』不機嫌なのか
・この報告書は『なぜ』わかりにくいのか
・この人は『なぜ』困っているのか
災害現場などで、今何をすべきかを瞬時に把握し、的確な動きをする人がいます。このような人は、避難している人が何に困っているのか、何を必要としているのかを考えながら動いているのです。
仕事においても同じです。
指示されたことだけをこなすのではなく、『なぜ』この仕事をしているのか、関わる人が『なぜ』このような動きをするのか、ひいてはどんな性格なのか、などを考えながら取り組んでみましょう。
『なぜ』を考えることが習慣になれば、自分のやるべき動きが、自然とできるようになります。
内側の動き - 記憶力を高める
会話の場面を想像してみましょう。
専門用語をぽんと出された時、聞いたことはあるけれど、どういった意味で、どんな時に使うのかはわからない人がいるとします。
一方で、専門用語をぽんと出されても、話が途切れずに続いていく人がいます。
この違いは、情報の有無です。
その分野の全体像を知らない人は、用語の意味が理解できません。いくら頭を回転させても、情報を何も持っていなければ、考えようがありませんよね。まずは分野全体の情報を得ること、そして覚えておくことです。
様々な技術が発達し、情報を外部にストックできるようになりましたが、会話の度に記録媒体を参照していては、頭の回転の速い状態とは言えません。重要な情報は、自分の頭で記憶しておく必要があります。
観察して得た情報、資料の要点、先輩から教えてもらった裏話などは、しっかり頭に刻み込みましょう。どうしても覚えていられないという場合は、記録したものを何度も読み返しましょう。それが別の情報と組み合わさることで、あらゆる状況に応用できるようになります。
外側の動き - 結論、根拠を簡潔に伝える
『頭の回転が速い人』つまり、的確な言動をしている人は『無駄がない』と表現できます。
・話題があちこちに飛んでしまう人
・話が『わかりづらい』と言われてしまう人
・相手に要点がうまく伝わっていない気がする人
思い当たる節がある人は、『結論、根拠を簡潔に伝える』ことを心がけてみましょう。無駄を省くことで、言いたいことが明確に伝わります。
しかし、全ての会話の無駄を省くことは難しいので、場面を絞って実践することをおすすめします。仕事でも家庭でも、交友関係でも、スムーズなコミュニケーションのために必要な、
・報告
・連絡
・相談
この3つの場面で、集中して行ってみましょう。ここぞという時に、的確なコミュニケーションが成立します。
外側の動き - 優先順位を付けて行動する
毎朝、自分の管理するタスクに、優先順位を付けてみましょう。仕事や家事を行う前に時間を設けるようにして、タスクの合間にだらだらと考えてしまう時間をなくします。
・今日中にやること
・一週間のうちにやること
・一カ月のうちにやること
という枠で割り振っていくとやりやすいですね。
今日中にやることについては、
・午前中に終わらせること
・何時に◯◯さんが来る前にやること
・終業時間までにやればいいこと
というように、時間軸で管理していきます。
『動きに無駄がない』というのは、やるべき時に、やるべきことができている、ということです。今はやる気がしない、という状況もありますが、なるべく優先順位を守って動くようにしましょう。後になって、必ず良い方向にあなたを導いてくれます。
まとめ
いかがでしたか?
『頭の回転が速い人になりたい』と思っても、何から手をつけて良いかわからない人が多いでしょう。しかし、『理解するのが速い』『的確な言動をする』という要素に分けてみれば、少しずつ身に付けられる技術であるとわかります。
技術の習得は、日々の実践あるのみです。初めはうまくできなくても気にせずに、頭の回転の速くなった自分をイメージしながら、続けていきましょう。