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昔話をじっくり読み聞かせたい。おすすめ絵本4セット

絵本 セット

昔話とは、普段の生活の中ではあまり聞くことのない昔から伝わる物語です。

内容は、あるものは面白おかしく、またあるものは生き方を教えてくれるものなど様々です。

忙しい毎日を送っている私たちは、とかく、心に余裕がなくなってしまっています。

そんな一日の終わりの夜のひと時に独特のリズム、のんびりした世界観の昔話の絵本を読んでみるのはいかがでしょうか?

自分のために読んでもいいですし、子どもが寝る前の読み聞かせにもぴったりの昔話の絵本を選んでみました。




おんちょろちょろ

おんちょろちょろ

瀬田貞二 再話 梶山俊夫 絵 福音館書店刊

ある男の子が街へおつかいに出たのですが、途中で道に迷ってしまいます。

暗くなってから一軒の家を見つけて泊めてもらいます。その家の人にお寺の小僧さんと間違えられ、お経を仏壇にあげて欲しいと頼まれてしまいます。

困った男の子は、ねずみの動きをみて『おんちょろちょろ・・』とそれらしく唱えます。何日か過ぎたある晩、その家に泥棒が入るのですが、その時、そのお経がどこからともなく聞こえてきました・・・。

日本の昔話です。男の子がねずみの動きを見て、適当に言ったお経がどろぼうの行動にシンクロしている様子がテンポよく描かれていて、何度でも読みたくなります。

特に『おんちょろちょろ』は声に出すと、とても楽しいのでお子さんは大喜びです。ひとりで読まれる方もぜひ声に出して読んでみてください。

三びきのやぎのがらがらどん

三びきのやぎのがらがらどん

マーシャ・ブラウン 絵 瀬田貞二 訳 福音館書店刊

三匹のやぎが、草をたくさん食べるために山を登っていきました。途中に谷川があってそこに橋がかかっていたのですが、その下には気味の悪いトロルが住んでいたのです。

まず一番小さいやぎのがらがらどんが橋を渡ると、トロルが『お前を一飲みしてやる』と言います。一番小さいやぎは、後から僕より大きいがらがらどんが来るからと言って、見逃してもらいます。そこへ次に大きいやぎのがらがらどんがやってきました。次にもっと大きいヤギが来るからと、これまた見逃してもらうのですが・・・。

北欧の民話です。昔から親しまれている絵本なのでご存知の方も多いと思います。三匹のヤギの名前はみんな『がらがらどん』です。

小さいがらがらどん、そして二番目のがらがらどんがやってきて、最後にとても大きながらがらどんがやってくる、この大きさの描写がとても上手に描かれています。

昔話の『同じことの繰り返し』が楽しめるお話です。お子さんと一緒にがたんごとん! と言いながら読んでみてください。

だいくとおにろく

だいくとおにろく

松居直 再話 赤羽末吉 絵 福音館書店刊

あるところに、水の流れがとても早い川がありました。橋をかけてもすぐに流されてしまうので、皆困っていました。

そこで、有名な大工さんに頼んで橋をかけてもらうことにしました。引き受けてはみたものの、どうやって橋をかけようか悩んでいる大工の目の前に、鬼が現れました。

お前の目玉をくれたら橋をかけてくれるという、鬼の提案に大工は曖昧な返事をするのですが、あっという間に橋は出来上がってしまいました。

約束した通り目玉を寄越せと迫りますが、大工は逃げ出してしまいます。そんな大工に鬼は自分の名前を当てたら許してやると無理な問題を出すのでした・・・。

日本の昔話の中でも特に有名なお話の一つです。どんな橋を架けてもすぐに流されてしまうほど、流れが早い川に、2日という短期間で橋を架けてしまう鬼の超人的なすごさと、大工とのやりとりで見せる狡猾さが、とても対照的で、読んでいるうちにどんどんお話に引き込まれます。

このお話で描かれる鬼は、従来の鬼のイメージとは一線を画しています。赤羽末吉さんによって描かれる、大工以上に感情豊かな鬼の表情をじっくり見たい作品です。

おだんごぱん

おだんごぱん

瀬田貞二 訳 脇田和 絵 福音館書店刊

おじいさんが急に美味しいものが食べてくなって、おばあさんに無理を言って、おだんごぱん(以下パン)を作ってもらいます。おばあさんは焼き上がったパンを窓際で冷ましていました。

しばらくすると、そのパンは寂しくなって転がって外に出ていってしまいました。そのままずっと転がっていくと、野原でうさぎに出会います。食べようとするうさぎに、パンは歌をうたって上手に逃げ出します。

次にオオカミ、そして、クマに見つかりますが、これまた歌をうたって逃げ出します。最後にきつねに出会ったのですが、きつねはみんなとは違っていきなり食べようとはしません。それどころかパンを褒めだしました。その訳とは・・・

ロシアの民話です。色々な動物に出会って食べられそうになりながら、機転を利かせて逃げていたおだんごぱんも、最後はきつねの知恵には負けてしまいます。

世界中の昔話で、きつねは知恵を働かせる動物として描かれていますが、このお話でも、知恵を存分に働かせています。褒めて相手を気持ちよくさせるという方法を思いつくのはさすがです。

大きな装丁の絵本で、なおかつ、絵自体が簡潔に描かれているので、お話だけでなく絵そのものもじっくり楽しむことができます。登場する動物にあまり表情がないため、残念そうなおじいさんの表情と満足そうなきつねがとても印象的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

昔話を題材にした絵本はたくさんありますが、その中から昔から親しまれているものや読んで楽しいものに絞って紹介しました。

子どもに読み聞かせるのはもちろんのこと、ご自分一人で読むときも、ぜひ、声に出して読んでみてください。きっと昔話の繰り返しのリズムの心地よさに気づくはずです。

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