あなたは『金縛り』にあったことがありますか?
意識がハッキリとあるのに身体が動かない・・・
さらには
自分しかいないはずの暗い部屋で、自分以外の何かが見える・・・
「キャー! 」と叫びたいくらいの恐怖ですが、金縛りにかかっている最中は叫ぶこともできません。
今回は、金縛りにあっても冷静に対処できるように金縛りの種類や原因、解き方についてお伝えします。
金縛りとは?
人が一生のうちに金縛りを経験する確率は、約40~50%といわれています。
ということは、2人に1人は金縛りにあっている計算になりますから、金縛りはかなり多くの人に起こりうる症状と言えるでしょう。
ところで、そもそも金縛りとはどういう状態を言うのでしょうか?
簡単にいうと、身体が眠っているのに意識がある状態のことを、金縛りと言います。
脳が起きているのに(意識があるのに)、身体は寝ているので動かすことができず、押さえつけられたり、締め付けられるような感覚があるのが『金縛り』なのです。
金縛りの種類 3つとその原因
金縛りの種類は、大きく分けて以下の3種類になります。
- 肉体的理由の金縛り
- 精神的理由の金縛り
- スピリチュアル的な金縛り
それぞれの原因は、以下です。
1.肉体的理由の金縛りの原因
- 思春期の肉体的変化(急な成長、声変わり、ホルモンバランスの変化など)
- 環境の変化による睡眠リズムの崩れ(受験、進学、就職などによる起床就寝時間の変化)
- 職業的理由による睡眠リズムの崩れ(夜勤、海外出張による時差など)
- 極度の疲労(部活動での激しい練習、受験勉強、長時間労働など)
2.精神的理由の金縛りの原因
- ストレス(様々な要因による精神的なストレス)
3.スピリチュアル的な金縛りの原因
- 心霊的現象(自らの波長の低下による低級霊、地縛霊などの憑依)
- 生霊(自分に関わりがある誰かの無意識)
- 龍脈や霊道の変化(地殻変動などの大きなエネルギー変化に自分の霊体が引きずられる)
1と2の場合は、医学的に解明される金縛りになります。相乗的に『自律神経の乱れ』が原因となる場合が多いようです。
一種の睡眠障害や睡眠麻痺といえるのですが、よほど酷い場合以外は、自分である程度の対処が可能です。
3の場合は、自分の心がけである程度対処できますが、理由がわからなかったり、対処しきれない場合もあります。
金縛りの症状
金縛りの症状は人により違いがありますが、一般的によくある症状を上げてみましょう。
- 意識があるのに身体が動かない
- 助けを求めたいのに声が出ない
- 目を閉じることができない(開くことができない場合もあり)
- 幽霊や幻覚を見たり、怪現象が起こる
- 何かがすぐ傍にいるような気がする
- 幻聴が聞こえる
- キーンとした耳鳴りや、ザワザワとした耳鳴りがする
- 息苦しくなって、だんだん呼吸ができなくなる
だいたいですが、1~3が肉体的、精神的理由の金縛りとスピリチュアル的金縛りのどちらにも当てはまります。4~6がグレーゾーン、7~8がスピリチュアル的金縛りの可能性が高いです。
肉体的、精神的理由による金縛りのメカニズム
肉体的、精神的理由による金縛りは、眠っているときに、なんの前触れもなく起こります。
睡眠には、『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』の2種類があり、
という具合に、約90分の周期で2種類の睡眠を交互に繰り返しています。
そして、金縛りは 『 レム睡眠 』 のときに発生します。
レム睡眠は、眠りはじめてからノンレム睡眠を経て、だいたい90分後に起こるのが一般的です。
しかし、睡眠の乱れや身体の疲労により、レム睡眠がノンレム睡眠を飛び越えて、入眠直後に突然入ってくる場合があります。
これを『 入眠時レム睡眠 』と呼び、この時に金縛りが起きやすくなるのです。
ちなみに、レム睡眠中でも呼吸をするための筋肉(呼吸筋)は、動かすことができます。
ですから、肉体的、精神的な理由の金縛りの場合、多少の息苦しさがあったとしても、呼吸が停止することはありません。
『 レム睡眠 』の特徴
- 浅い眠り
- 脳が比較的活動しており、眼球に動きがある(夢を見やすい状態)
- 身体は完全に弛緩し、筋電図も最低値になる(身体が眠っていて寝返りもうたない状態)
- 自律神経が不安定で、心拍数の変動が激しい
『 ノンレム睡眠 』の特徴
- 深い眠り
- 脳が休んでいる状態(夢を見ない状態)
- 体は休んでいるが少しの筋肉の活動がみられる(寝返りをうつ状態)
- 副交感神経が優位になり、安定した状態
肉体的、精神的理由による金縛りでも幽霊を見ることがある!?
「金縛りにあっている間に幽霊を見たから、その金縛りはスピリチュアル的な金縛りに違いない! 」
そう思いがちですが、実はそんなことはありません。
レム睡眠中は眠りが浅いので、ちょっとしたことで意識が覚醒してしまいます。
しかし、身体の筋肉は弛緩状態にあるので、脳から『身体を動かしなさい』、『声を出しなさい』と命令を出しても、身体は何もできません。一方で、意識はあるわけですから、当然のことながら身体が動かないということを認識します。
そうなると、『身体を動かすことができない』ということに、恐怖心や焦りが生まれます。
本来のレム睡眠は、夢を見る時間帯でもあるので、意識があるにも関わらず、恐怖心や焦りから悪夢を見ることがあるのです。
要するに、悪夢を見ながら意識が覚醒していることで、悪夢を現実だと認識してしまいます。
ですから、肉体的、精神的な理由の金縛りでも怪現象が起こったり、幽霊が見えたりすることがあり、その正体は自分自身の恐怖心が見せた「悪夢」なのです。
肉体的、精神的な理由の金縛りの解き方
金縛りを解く方法は、次の3つのうちのどれかです。
- 意識的に解く
- 自然に解けるのを待つ
- 寝てしまう
金縛りを意識的に解くために必要なことは、身体を動かそうと考えないことです。
身体が動かない恐怖に負けず、まずは落ち着いて、スッと力を抜いてみましょう。
目を閉じ、身体の力を抜いたまま、ゆっくりと呼吸をします。
『別に動かすつもりはありませんよー』と、身体を油断させた隙をついて身体の一部分を瞬時に動かすと、金縛りは解けます。
動かす場所はどこでも構わないのですが、一般的には手や足の指などをピクッと動かすのが、解きやすいといわれています。
あまり大きな動作だと失敗しやすいですし、首や身体をムリに起こそうとすると、寝違えたような違和感が残る場合があります。
ただ、個人的には、金縛りをムリに解くことはオススメしません。
金縛りをムリに解くことは、脳にも身体にも結構な負担がかかり、かなりの疲労感を伴います。
また、金縛りを頑張って解いても、高確率で再び金縛りにあってしまいます。
肉体的、精神的金縛りは、放っておいてもそのうち解けます。
ですから、金縛りを解いて、疲れて、また金縛りにあってを繰り返すよりも、目を閉じ、力を抜いて、深呼吸をして身体をリラックスさせながら、解けるまでのんびり待つか、リラックス状態からそのまま眠ってしまう方が身体への負担は少なくてすむという考え方もあります。
肉体的、精神的理由の金縛りを防ぐための7つの対策
良質な睡眠をとることができれば、それだけでも金縛りにあいにくくなります。
簡単にできることからで構いません、対策をしてみましょう。
1. 規則正しい生活に気を配る
睡眠不足や寝すぎは、睡眠のリズムを崩します。
夜更かしや朝寝坊をせず、できるだけ毎日同じ時刻に眠り、同じ時刻に起きるように心がけましょう。
就寝時間を一定にするのが難しい人は多いと思いますので、その場合は、起床時間だけでも一定にしてみましょう。
お休みの日も、一度はいつもと同じ時刻に目を覚ましてください。
平日休日問わず、いつもと同じ時刻に寝て起きる習慣をつけることが大切です。
2. ゆったりとした寝巻きを選ぶ
パジャマやスウェット、ジャージなどを着て寝る人が多いと思いますが、締めつけが強いものは避けて、できるだけゆったりとした、肌触りがよく大きめのサイズを選ぶようにしてください。
下着も同様で、緩めのものを選ぶといいでしょう。
3. 枕のチェック
高すぎたり、低すぎたり、身体に合わない枕は「安眠の妨げ」となり、身体の不調を引き起こす場合があります。
睡眠のバランスを保つために、タオルなどで枕の調節をしましょう。
4. 眠る前にスマホやゲーム機などをいじらない
スマホや携帯ゲームの普及により、眠る直前までいじっている人が増えています。
就寝前に脳の興奮をしっかり沈めないと、金縛りにあいやすくなります。
ですから、寝る前のメール、恋話、ゲーム、怪談話をするのは極力避けましょう。脳を休めることを第一に考えてください。
5. 仰向けで眠らない
仰向けで眠ると、身体の力が緩みやすくなるので、金縛りにあいやすくなります。ですから、身体を横を向きにして眠ってみてください。
金縛りにあってしまった場合も、横向きから仰向けに転がりやすくなり、身体を転がすことに成功すれば金縛りもとけるはずです。
抱き枕などを使用すると、自然に横向きで眠れますし、安心感も得られるのでオススメです。
6. 音楽やアロマでリラックス
ロックなどの激しい音楽でなく、ヒーリング効果の高い音楽や音を聞いたり、ラベンダーや柑橘系など、睡眠に効果があるアロマを焚いて、心身がリラックスすることで深い睡眠を得られます。
入眠時からしっかりと深い睡眠を取ることで、金縛りにかかりにくくなるのはもちろんですが、これらを活用することで、より多くの疲れが取れます。
結果として、ストレスを解消し、ポジティブになり、勉強や仕事などの集中力も高まります。
7. 90分を1サイクルと考えて眠る
ノンレム睡眠からレム睡眠への周期は、90分(1時間半)です。
そのため、90分の倍数となる時間を計算して起床するようにすると、効率的に睡眠が取れるといわれています。
効率的かつ効果的に睡眠をとることができれば、金縛りにあう確率はグッと低くなります。
スピリチュアル的な金縛り
基本的に、金縛りのほとんどが肉体的、精神的なものであることは間違いありません。
人によっては、『霊現象による金縛りなんてない! 』と言い切る人もいらっしゃいます。
しかしやはり、なかには本当にスピリチュアル的な金縛りも存在します。
肉体的、精神的な金縛りとスピリチュアル的な金縛りには、決定的な違いがあります。
それが金縛りの症状の部分で少し触れた『耳鳴り』です。
ここで注目してほしいのは、耳鳴りが金縛りにあう前に起こったか、金縛りにあってから起こったかです。
先に金縛りにあってから、あっている最中に耳鳴りがしたのなら、ほとんどの場合が普通の金縛りと考えていいでしょう。
スピリチュアル的な金縛りが起こるときの順番は、だいたい以下のとおりです。
- 耳鳴り(『キーン』 『ザワザワ』 『ショワショワ』 『ザー』 など耳元でワイワイする感じ)
- 不気味な雰囲気(周囲の空気がドロドログルグルとする感じ)
- 圧迫感(周囲の空気が重く身体を包むように迫ってくる感じ)
- 身体が重くなって動けなくなる(岩を乗せられたように、一気にズンッと沈む感じ)
- 金縛り
- 感触があったり、見えたり(霊的なものの仕業!? )
また、肉体的、精神的な理由の金縛りが眠っているときに起きるのに対し、スピリチュアル的な金縛りは眠っているときはもちろん、ときには目が覚めているときにも起きる場合があります。
活動中に起こる金縛りは、身体が硬直したまま気を失うように倒れるので、怪我をすることもあり、危険です。
スピリチュアル的な金縛りにあう原因
一般的に、スピリチュアル的な金縛りにあう場合に多いのは
- 自分自身の波長が低下しているとき
- ネガティブになっているとき
- 誰か(何か)に対して恨み、つらみ、妬み、嫉みを感じているとき
などに、『低級霊を呼び寄せてしまっている』ことが原因のようです。
もうひとつ多いのは『生霊』です。
おそらく身近な人の生霊なのですが、生霊を飛ばしている本人は無意識ですし、なまじっか生きている相手なので、下手に祓うと相手の肉体に体調不良などの影響が出る場合があり、非常に厄介です。
また、まれではありますが
- 大きな地殻変動
- 川の埋め立て
- 森林伐採
- 大きなビルの建築
などの理由で、龍脈や霊道に変化があり、たまたま自分が生活している辺りとぶつかってしまった結果、その大きなエネルギーに引きずられる感じで金縛りにあうこともあります。
スピリチュアル的な金縛りには、人それぞれ色々な事情がありますので、自分で思い当たることが無い場合は、カウンセリングなどを受けてみないと原因がわからず、頻繁に金縛りにあってしまう可能性も高くなります。
スピリチュアル的な金縛りの解き方と対策
スピリチュアル的な金縛りには前触れがありますので、金縛りが起こってから解くのではなく、起こる前に解いてしまいましょう。
「耳鳴りがしてきたな・・・」と感じたら、まずはとにかく落ち着くことが大切です。
恐怖心などのマイナスエネルギーは低級霊の大好物です。ですから、焦らず、冷静に恐怖心を追い払ってください。
耳鳴りから金縛りが起こるまでには数秒間ありますので、その間に思い切り目を開いて周囲を威嚇するように見渡し、寝返りを打つか起き上がってください。
このとき、
『お戻りください! 』
『私は大丈夫! 』
『えいっ! 』(気合を入れるように)
と強く声を出すと、効果が高まります。
声が出しにくい場合は、心の中でかまいませんので、大声で気合を入れているようなイメージをしてください。
しつこい相手だと、解いてもまたすぐに耳鳴りが始まるかもしれませんが、こちらもしつこく何度も繰り返し解くことで、低級霊も諦めて来なくなります。
今後、スピリチュアル的な金縛りにあわないための対策としては、「波長を高める」のが一番の近道です。
スピリチュアル的な金縛りが起きる人というのは、理由の違いはあれど、波長が下がり、ネガティブになっている場合が多いです。
そのた、まずは自分自身の思考をポジティブに変化させることが大切になってきます。
ポジティブな思考を心がけていれば、自然に波長も高くなってきますから、低級霊などを寄り付けなくなります。
本当にあった金縛りの話
スピリチュアル的な金縛りがどういうものなのか、例として私自身がいくつか体験した中から1つご紹介します。
これは、私が中学生の頃のお話です。
その日は土曜日だったので、学校から一度家に帰り、お昼ご飯を食べてから友人の家へ遊びに行く約束をしていました。
早く遊びに行きたかった私は大急ぎで着替えて、友人宅へ持っていく漫画とゲームの準備をして、鼻歌まじりに部屋を出て、玄関に向かいました。
そのとき
「あれ? キーンって言ってる。耳鳴りかな?? 」
この程度の耳鳴りは、普通に生活していてもよくあるものなので、気にせず階段を下りていたのですが、1段下りるにつれて空気が淀みはじめ、温度も下がった気がしました。
それにあわせて、耳鳴りもどんどん大きくなり、頭の中でグワングワンと鳴り響きだしたのです。
思わず耳をふさいだのですが、耳鳴りなので当然音が小さくなることはありません。
すると、あと少し、残り2、3段の辺りで
「ズンッ!! 」
と、まるで自分が釘になって、頭のてっぺんから金槌で叩かれて階段にめり込んだような感じがしました。
そのまま身体が動かなくなり、次に首をジワジワとしめられるように息ができなくなり・・・気づいたときには階段の下に倒れていました。
その間、ほんの数分。
身体に残る痛みから、2、3段の階段をそのまま踏み外して落ちたんだろうなという事以外、何が起こったのか自分でもわからないままでしたが、ひとりでいることが怖かったので、取り敢えず考えないことにして、約束をしていた友人の家に大急ぎで向かいました。
ピンポーン!
友人宅に着き、チャイムを鳴らし、ガチャっと顔を出した友人。
私を見た途端に、怯えたように顔を歪ませした。
「何それ・・・ちょっとこっち来て! 」
「??? 」
引っ張って連れて行かれた洗面台、その大きな鏡に映った私の首には・・・「もみじのように小さな手の形をした赤黒いアザ」が2つありました。
とくにオチはありませんが、これは少々レアな、起きていながらにして金縛りにあったパターンです。
階段の残りが2、3段だったので、とくに怪我もありませんでしたが、これが階段の上の方で起きていたらと思うとゾッとします。
当時はまだ中学生だったので経験値も足りず、うまく解くことができなかったという、ちょっと悔しい思い出です。
他にも生霊パターンや霊道パターンも経験しておりますが、それはまた別の機会があれば、ということで・・・。
ちなみに、霊感が強い人がスピリチュアル的な金縛りにあいやすいということはありません。
低級霊の場合、本当に霊感が強い人には近づくことすらできず、悪さもできないので、むしろ霊的にはあまり強くない、憑依体質や霊媒体質の人があいやすいです。
霊感は本来、誰でも持っているものです。それが強いとか弱いとかあまり考えないことが、怖い思いをしないですむ一番の方法かもしれません。
まとめ
金縛りには、どうしても怖いイメージがつきまといます。
しかし、『幽霊の正体見たり枯れ尾花』という言葉もあるように、ほとんどが医学で証明できてしまう現象です。原理さえわかれば怖くもなんともない、ただの「睡眠障害」です。
もちろん、睡眠障害から重大な病気になることがあるので、あまりに頻繁に起こって、自分で対処できそうになければ、病院で医師の判断を仰ぐのが賢明です。
また、スピリチュアル的な金縛りであったとしても、心臓に持病などを抱えていない限り、金縛りで死ぬということはまずありませんから、安心して対処してください。
どんな金縛りも、ほんの数分程度のことです。
『金縛りがナンボのもんじゃい! 』と、ドーンと構えていれば、あなたも大丈夫です。