出雲大社と言えば「縁結び」の神様。そのご利益を求めて多くの人がここを訪れます。
縁結びと言えば、男女の縁を想像しやすいですが、出雲大社のご利益は恋愛の縁結びだけでなく、あらゆるご縁を取り持ってくれます。
今回は、下記についてご紹介していきます。
- 出雲大社にどんなご利益があるか
- 出雲大社の参拝ルール
- 出雲大社の幸運を得るためのスポット
- 併せて参拝したい「美保神社」
- 出雲大社のお守り
どれも出雲大社を訪れる前に知っておいて損のない情報です。
気になるポイントだけでも読んで、出雲大社参拝をさらに楽しいものにしましょう。
なぜ、出雲大社は縁結びのご利益で有名なの?
長い歴史のある出雲大社
出雲大社は、日本最古の歴史書と言われる「古事記(712年)」や「日本書紀(720年)」に創建が記されているほど、歴史のある古社。
出雲大社にまつられているのは「大国主大神(おおくにぬしのおおがみ)」。大国主大神の功績を称えて創建されました。
大国主大神は、様々な御神名(ごしんめい)があるため、混乱しやすいです。
- 大国主神(おおくにぬしのかみ)
- 八千矛神(やちほこのかみ)
- 大国主命(おおくにぬしのみこと)
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
- 大国玉神(おおくにたまのかみ)
- 大国魂神(おおくにたまのかみ)
- 顕国魂神(うつしくにたまのかみ)
これらは全て同じ神様、大国主大神のことです。
他にももっと多くの別名があり、「大黒様」も同じ神様と言われています。
大国主大神には多くの名前があったぶん、それに比例して多くの妻がいました。大国主大神が縁結びで知られるのはそのためだと言われています。
出雲大社のご利益は「男女の縁結び」だけではない
出雲大社の見所のひとつ、「ムスビの御神像」も、大国主大神と同一神です。
大国主大神は最初から神様だったのではなく、人として修業を積んでいました。
その時に海から「幸魂(さちみたま)・奇魂(くしみたま)」という魂があらわれ、その魂たちのお陰で大国主大神は神様になれるだけの教養を身に着け、「ムスビの神」となりました。
ムスビの御神像は、その魂を受ける様子をあらわしているそうです。
ムスビの御神像の案内板では
生きるものすべてが幸福になる「縁」を結ぶ、「えんむすびの神」と慕われるゆえんであります。
と紹介されています。
つまり、生きる人みんなが幸福になるように、あらゆる縁を結んでくれる、男女の仲だけではなく、仕事やお金、人々を取り巻く全ての縁を結んでくれるのが「ムスビの神様」です。
出雲大社 基本情報
アクセス情報
- 所在地:島根県出雲市大社町杵築東195
- 最寄り駅:一畑電鉄「出雲大社前駅」より徒歩7分
- 最寄りバス停:一畑バス(日御碕方面)「正門前バス停」降車、徒歩2分
出雲市内からのアクセスは、JR出雲市駅から一畑電鉄に乗り代えて行くことになります。
JR出雲市駅から、一畑電鉄出雲市駅までは徒歩5分かかるため、乗り換え時間には注意が必要です。
電車に乗ったら出雲大社前駅まで8駅、約25分です。
出雲大社の公式サイトは、こちら
駐車場
- 出雲大社外苑駐車場:385台、無料
- 古代出雲歴史博物館駐車場:244台、無料(レンタサイクルあり)
- 神門通り交通広場駐車場:60台、無料
無料の駐車場が十分にあり、よほどでない限り駐車場に困ることはなさそうです。
拝観時間、拝観料
- 3月~10月 6:00~20:00
- 11月~2月 6:30~20:00
- 御祈祷 8:30~16:30
- 定休日 無休
- 拝観料 本殿 なし 宝物殿/150円 彰古館/50円
出雲大社参拝作法
参道の真ん中は通るべからず
参道の真ん中は「神様の通り道」と言われます。
出雲大社の参道を歩くときには、真ん中は神様のために常に開けておき、道の端を通るようにしましょう。
二礼四拍手一礼
出雲大社では、他の神社と違い、4回拍手をしてお祈りします。
まずお賽銭を奉納し、軽く鈴をならします。
深く2礼をし、良い音で4拍手し、お祈りします。
最後に、もう1度深く一礼。
お祈りする際、氏名・住所をお願いごとの前に言うのがポイントです。
なぜ、出雲大社だけ4拍手なのか気になるところですが、出雲大社の大きな祭典、5月14日の例祭では、なんと8拍手をすることになっています。
8は昔から無限の数を意味する数字で、8拍手をもって神様を限りなく讃えるのですが、それは例祭の時のみ。
普段はその半分でも差はないとされて、4拍手が正式な参拝方法となっているそうです。
参拝ルート
まずは、祓社(はらえのやしろ)でお清めを
出雲大社の正門・大鳥居をくぐると、参道の右手に小さな祓社(はらえのやしろ)があります。
小さいので素通りしやすいですが、ここで身に着いた穢れ(けがれ)を祓い清めることができます。
ここをお参りし、清らかな状態になることで、ご利益をより一層頂くことができます。
祓社でお清めしたら、手と口を清める手水舎へ。
向かいに主祭神「ムスビの御神像」もありますので、パワーを頂きましょう。
本殿
まず、正面から「二礼四拍手一礼」でお参りします。
他の神社はそれで終了ですが、出雲大社の御神体は正面ではなく「左側」を向いています。
そのため、社を左側に回って拝殿横からも参拝すると願いを聞いて頂きやすくなります。
素鵞社(そがのやしろ)
本殿の後方、素鵞社(そがのやしろ)では「御砂(おすな)」を頂くことができます。
祀られているのは、大国主大神の親神である「スサノオノミコト」。
ここで頂いた御砂を家に持ち帰り、敷地内にまくと、お清めになり、神様の加護があるそうです。
ただ、出雲大社より800メートルほど離れた浜辺の砂を採ってお参りし、自分の持ってきた砂を床縁下に置いて、従来あった御砂を頂いて帰るのが、本来のご利益の受け取り方だそうです。
近くに宿泊される方など、時間の余裕がある方は、本来のやり方でご利益を受け取ってみてはいかがでしょうか。
神楽殿
長さ13.5メートル、重さ4.4トンもの大きさの注連縄(しめなわ)がかなり印象的。
この注連縄(しめなわ)には、多くの人が投げたお賽銭が刺さっていますが、注連縄にお賽銭を投げる行為はNG。
出雲大社も、この行為を全く認めていません。
注連縄は神様がお鎮まりになる御神域を示し結界する神聖なものです。その神聖な注連縄にお賽銭を投げ入れるという行為は、神様に対して失礼にあたることです。従って縁起がよいことではありません。
出雲大社公式ホームページより
神様に向かって物を投げるのは、確かに失礼な行為ですね。
注連縄に小銭は投げず、お賽銭箱にそっと優しく入れましょう。
出雲大社内の隠れたパワースポット
亀の尾の滝
結婚式や御祈祷が行われる「北島国造館」敷地内にあります。
小さな祠「天神社」と美しい滝があり、とても空気が澄んでいます。
長旅で疲れた体をマイナスイオンが癒してくれるでしょう。
ムクのご神木
北島国造館付近にある祠、「命主社(いのちぬしのやしろ)」。
大国主大神が兄神による迫害に遭った時に、命を救った神様「神皇産霊神(カミムスビノカミ)」が祀られています。
この社の目の前には、樹齢1000年と言われる「ムクのご神木」があります。
迫力満点で、近くにいるだけで大きなパワーをわけて頂いている感覚があります。
効果抜群! 出雲大社のお守り
境内でしっかりお参りしたあとは「お守り」を。
御朱印を集めている人は「銅鳥居奥の社務所(御守所)」又は「神楽殿」で頂けます。
縁結びの糸
紅白の絹糸が束ねられたお守りで、男女がお互いに強く結びつくように願いが込められています。
この糸をブレスレットにしたり、衣類やハンカチ、タオルに縫い込んで肌身離さずもつという使い方をします。
縁結守
恋愛成就だけではなくすべてのあらゆるご縁に効くお守り。迷ったらこのお守りです。
出雲大社の御朱印
- 初穂料 300円
- オリジナル御朱印帳 1200円
伝統に基づいて簡素な御朱印なため、待ち時間はそれほどないそうです。
ゴールデンウィークやお正月など、かなり込み合う時期でも10~15分程度。30分程度余裕を持って見ておけば十分でしょう。
縁結び以外のご利益とは?
金運アップ! 7つの大黒様
大国主大神は、大黒様としても知られています。
宇迦橋(うがばし)を渡ったところにあるコンクリート製の大鳥居から、勢溜の正面鳥居にある木製の鳥居までの間に、7体の大黒様があります。
小さめの像なので普通に歩いていると見逃しやすいのですが、金運アップを望む方は、ぜひ7つの像を見つけてお参りしてみてください。
なお、一畑電鉄で出雲大社前駅まで来てしまうと、コンクリート製の鳥居は通り過ぎてしまいます。
バスでアクセスして途中下車するか、帰りに散策する方法を取りましょう。
出雲大社参拝オススメのタイミングは「神無月」
大国主大神は、自分の子供たちを全国各地に置き、護らせています。
年に1度、その子供たちや他の神様を呼び寄せて会議をする時期があります。
それが「神無月」。旧暦の10月です。
全ての神様が出雲に集結していなくなるために「神無月」と呼ばれますが、出雲大社だけはすべての神様がいるため、「神在月」と呼ばれます。
神様の会議では、来年の気象や農作物についても話し合われますが、ここで一番クローズアップされる議題は「縁結び」について。とくに「男女の縁」だと言います。
そのため、神在月の期間に出雲大社を訪れると、たくさんの神様がいるために願いを聞いてもらいやすいと言われています。
注意しなければならないのは、日程が旧暦に基づいているため、日にちが毎年変化することです。
- 2017年の神在月期間:11月27日~12月4日
- 2018年の神在月期間:11月18日~11月26日
この時期には、神様を迎える神迎祭や神在祭、神様をお送りする神等去出祭など様々な行事が行われます。
そのため、全国からは神様だけでなく、参拝者である人もかなり多く集まってきて、年間で最も混雑します。
行事は一見の価値がありますが、人ごみが好きでない、静かにゆっくりと参拝したい・・・という人には、この時期はオススメできません。
大国主大神様は一年中いらっしゃるので、自分が行きたいと思ったタイミング、それが出雲大社とのご縁と考えましょう。
出雲大社をカップルで参拝すると別れるって本当?
俗説で
「まだ結婚していないカップルが出雲大社を参拝すると別かれてしまう」
というジンクスがささやかれています。
また、少し言い方を変えたもので
「出雲大社の鳥居をカップルで同時にくぐると別れてしまう」
という説も。
果たして、これは本当なのでしょうか?
これは、人によっては本当にそうなってしまう可能性があります。
出雲大社にご縁を望んだ結果、そこで新しいご縁が生まれ、今のご縁(その時に付き合っている恋人)は終焉を迎えることがあるからです。
ただ、長い目で見たときに、この別れは悪いことかというと、そうではないでしょう。もっと相応しい人がお互いにいたということですからね。
一方で、出雲大社を参拝したカップルの方で、その後、結婚し、長年添い遂げる方もいらっしゃいます。神様が認めるほどのベストカップルだったということなのでしょう。
神様が認めるほどのカップルという自信はないけれども、今の相手と別れたいわけでもない・・・と思う方は、カップルでの出雲神社参拝は避けて、同性のお友達と訪れるのが無難かもしれませんね。
出雲大社と併せて参拝でご利益アップの「美保神社」とは?
出雲大社を訪れる人の間で、ひそかに人気があるのがこの「美保神社」。
美保神社には大国主大神の妻と子が祀られているので、出雲大社と両方参拝することによって、さらに縁結びパワーがアップします。
美保神社基本情報
- 住所:島根県松江市美保町美保関608
- 参拝時間:8:30~
- アクセス:美保関コミュニティバス「美保神社入り口」下車、松江駅より40~45分
- 駐車場:30台の無料駐車場、美保神社まで徒歩5分
出雲大社からは少し離れているので、一泊して翌日に参拝というルートがオススメです。
美保神社の公式サイトは、こちら
美保神社のご利益は?
美保神社の御祭神は、出雲大社 大国主大神の妻「三穂津姫命(みほつひめのみこと」と、その子「事代主神(ことしろぬしのかみ)」。
事代主神は、いわゆる「ゑびす様」。
美保神社は、全国のゑびす神社の総本山で、五穀豊穣・安産・海上安全・大量満足・商売繁盛のご利益があります。
なお、こちらでは出雲大社の二礼四拍手一礼ではなく、二礼二拍手一礼が作法です。
まとめ
出雲大社には縁結びをはじめとして、想像以上に多くのご利益があります。
出雲には出雲大社を中心に、魅力的な観光地が多くありますから、宿泊してゆっくり訪れるのがオススメです。
玉造温泉や宍道湖温泉でゆっくりしたり、日本海を眺めて心と体をリフレッシュするのもよいでしょう。
出雲大社で多くのご利益をいただき、あなたにも良いご縁が結ばれますように。