覚醒時に人間を支配しているのは意識、つまり自我です。この自我によって、ないがしろにされ、抑圧された意識は、無意識の中に逃げ込みます。
一方、夢の中では自我が弱まるので、無意識が力を増し、無意識に封印された意識が夢に現れることになります。
彼氏が浮気する夢を見てしまったという場合、その夢の意味を心理学上どのように考えるべきか、様々な解釈の方向がありますけれども、キーとなるポイントは、その夢の中で自分はどのような感情を持ったのかということです。
今回の記事においては、彼氏が浮気をする夢の中における貴女の感情を手がかりにして、その夢の意味するところを分析します。
彼氏が浮気をする夢の中で「これで別れられる」と思った場合
彼氏が浮気する夢が意味することは、端的に「彼氏に浮気してほしい」という欲望が貴女の心の中にあるということであるケースもありえます。
彼氏が別段に悪いところがあるというわけではないのだけれども、もっといいと思うひとが現れてしまったから、自分が悪者にされない形で別れる口実が欲しい。そういう方も世の中に存在します。
彼氏が浮気をする夢の中で「あたしではやはり釣り合わなかったのか」と思った場合
彼氏がとても素敵なひとで、その存在に頼り切っているという状況の場合、自分の幸せを信じたいという意識が、覚醒時には強く働くため、なかなか心の表面に浮かんでこないのですが、「甘えきった自分が駄目な人間になってしまうかもしれない」という不安を、気がつかないうちに抱え込んでしまうということもあります。
対象そのものである彼氏を引き落とすのが目的ではなくて、彼氏に頼りきっている自我に対して活を入れなければいけないという想いから、彼氏が浮気をする夢を貴女に見させるということもありえます。
彼氏が浮気をする夢の中で「信じたくない」と思った場合
彼氏の気持ちが自分から完全に離れてしまっていて、浮気している証拠は様々に存在しているのですが、彼氏と別れたくない気持ちが強すぎて、現実を認識することを拒絶しているというケースでも、彼氏が浮気する夢を見ることがあります。
自分に不都合な現実を認識したくない自我の力が夢の中では弱まるため、夢の中でこそ冷静に因果関係を判断して正確に物事を推理できるということもあります。
彼氏が浮気をする夢の中で「安心した」と思った場合
覚醒時に抑圧されている願望の多くは、性的欲望であるという見解に従えば、彼氏が浮気をする夢を見るひとは、本人は自覚していなくても、自分がつきあっている相手が、他人に寝取られることで性的快感を得られる、特殊な性癖の持ち主であるという解釈もできなくありません。
そういう『寝取られ願望』は、発達心理学によれば、それは自傷行為(依存行為)の一種であると考えられます。
自己愛が欠落しているひとは、存在不安のストレスを「自傷」という形で代償します。浮気されて自分が傷つくということで、性的快感を得られる特殊な性癖の方も稀に存在します。
彼氏が浮気をする夢の中で「これで説明がついた」と思った場合
浮気される夢を見る人は、相手にもっとかまってほしいとか、相手に期待しすぎている場合も多いようです。
「どうして、あたしのことをもっとかまってくれないのだろう? その理由が知りたい」と意識・無意識に強く望んでいて、かまってくれないことに対する合理的説明をつけるものとして、彼氏が浮気をする場面を、夢に見てしまうということもあります。
彼氏が浮気をする夢の中で「あの女が憎い」と思った場合
彼氏が浮気をする夢であっても、その浮気相手の女性が、あなたとあまり仲が良くない知人であったいう場合、問題にするべきは、現実世界におけるその女性との人間関係であるといったこともありえます。
あなたは、その女性のことを「他人の大切なものを平気で奪う危険なひと」と認識していて、その気持ちが、自分の大切な彼氏を奪われるという形の夢になるということも十分にありえます。
集合無意識でつながっている他人の目撃記憶のあらわれかも
精神と物質には、潜在的一元性があると考え、夢の中で、他人の記憶を見ることもありうるとする見解もあります。いわゆる『虫の知らせ』などが実際にありえるとする考え方です。
そういう見解に従えば、彼氏が浮気をする夢を見たら、それは本当にその光景を目撃した、他人の記憶が夢を通じて貴女に流れ込んできたという解釈もできなくもありません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
夢で彼氏が浮気していると実際に浮気しているのではと心配になってしまう方も多いと思いますが、実際の裏切り、浮気を表すものではありません。
そのような夢をみる理由は実に様々です。夢の意味するところを解釈するためには、夢の中での自分の感情をよく思い出してみることが大切です。
今回の記事の内容があなたの人生において少しでもお役にたてれば幸いです。