あなたはイースターのことをどのくらい知っていますか?
名前を聞いたことがあったり、イースターエッグやウサギの形をした飾り物を見たことがある人は多いかもしれませんね。
イースターは、「復活祭」「復活節」と呼ばれることもあり、イエス・キリストが処刑された3日後に復活したことをお祝いするお祭りで、欧米ではクリスマスと並んで大切にされ、盛大に祝われているイベントです。
しかし、イースターは日本ではまだ馴染みが薄く、認知度が低いため、どういったイベントなのかあまり知られていません。
とはいえ、そもそも日本はキリスト教信者が全体人口の1%以下の国ですから無理もないしょう。また、イースターの日は毎年異なるため、イースターがいつなのか認識されにくいといった理由もあると思われます。
この記事では、下記を紹介していきます。
- 2018年のイースターはいつか?
- イースターはどのような由来のイベントなのか
- イースターの日は毎年どのように決まるのか?
- イースターはどのようにお祝いして楽しむのか
あなたもイースターの事を知って、イベントをより楽しみましょう。
2018年のイースターは、いつ?
2018年のイースターは4月1日です。
ただし、イースターの日付は年によって異なり、キリスト教の中でも宗派によって日付が異なります。
4月1日は、カトリックやプロテスタントなどを中心とする西方教会の場合です。
東方正教会(ロシア正教、ギリシャ正教など)の場合は、1週間遅い4月8日となります。
ロシアやギリシャなど東方正教会の祭日を採用している国を訪れる際は注意した方が良いですが、それ以外の場合は基本的に2018年は4月1日になります。
2018年のイースターは、エイプリルフールと同じ日と覚えておくのが良いでしょう。
イースターの日はどのように決まる?
イースターの日の定義は「春分の日の直後の満月から最初の日曜日」となっています。
これは325年ニカイア公会議で決められ、イエス・キリストが金曜日に処刑され、その3日後の日曜日に復活したことに由来しています。
では、統一されたにも関わらず、なぜ西方教会と東方正教会で日にちがズレるのでしょうか?
それは、暦法の違いに起因します。
西方教会では、私たちが日常使用しているグレゴリオ暦(西暦)を使用していますが、東方教会ではユリウス暦を使用しています。
この暦法の違いによりイースターの日が算出されているため、2つの教会でイースターの日にちがズレます。(クリスマスや他の祝日の日にちも違います。)
イースター期間は4月1日の1日だけではない
イースターは4月1日がメインではありますが、実はイースターに連動して様々な祝日があります。
2018年の日付を例に、イースター関連イベントの具体的なスケジュールを見てみましょう。
2018年2月14日 灰の水曜日
まず、イースターから数えて46日前に「灰の水曜日」があります。
イエス・キリストが砂漠で40日間断食をしたことにならい、熱心なキリスト教信者はこの日から40日間断食をします。
断食期間に入る数日前からカーニバル(謝肉祭)が行われ、思いっきり肉を食し、大騒ぎをします。
そう、カーニバルとイースターはセットとなっているのですね。
なぜ「灰」なのかというと、信者は教会に行き、灰で額に十字架を書いてもらう習慣があるからです。
2018年3月30日 聖金曜日
受難日、また、「Good Friday」などと呼ばれることもあります。
キリストが十字架に架けられ処刑された日で、教会ではキリストの受難と死を記念する儀式が行われます。
欧州の多くの地域では、この日から月曜日まで連休となります。
カトリック教徒は、この日は肉やお酒を避け、魚を食べます。魚は、イエスも好物でよく食べていたそうです。
若い人はあまり気にしませんが、カトリック信者はイースターに限らず「金曜日は魚を食べる日」とした習慣を守っている人もいます。
2018年3月31日 聖土曜日
「Black Saturday」とも呼ばれます。
十字架に架けられたキリストを追悼し、喪に服す日です。
ろうそくに火を灯し、キリストの復活を待つ「復活徹夜祭」を行う教会もあります。
2018年4月2日 イースターマンデー
イースターの1日後、イースターマンデーです。
金曜日からこの日まで英国、欧州の株式・債券市場はお休みとなり、翌日の火曜日からやっと普通に動き出します。
そもそもイースターとは、何のお祝い?
キリストの復活
イースターは日本語で「復活祭」とも呼ばれています。
1世紀30年頃、イエス・キリストは旧来のユダヤ教を批判したことで逮捕され、磔刑されました。
その際に、イエス・キリストは弟子たちに「私は十字架に架けられ殺されるが、3日目に復活する」と繰り返し語っていたといいます。
イエス処刑後、兵士はイエスのわき腹をやりで突いて、亡くなったことを確認してから墓に埋葬しましたが、3日目の日曜日、死体が忽然と消え、500人以上の人が復活したイエスを目撃することになります。
イエスの死後、処刑を恐れてイエスの弟子たちは家にこもっていましたが、復活したイエスを目の当たりにしてから、弟子たちは命がけで布教活動を行っていきました。
この復活はイエスが起こした奇跡の中でも最も大きなものです。
そのため、イースターはキリスト教信者の間ではクリスマス同等か、それ以上に重要視されている祭日となっています。
春を迎えるお祝い
ヨーロッパの冬は長く、気温が氷点下になるのは当たり前、厳しい寒さが続きます。
夕方17時にはすっかり暗くなり、朝も8時ぐらいまで真っ暗です。
その分、ヨーロッパの人の春に対する喜びは、大変大きいのです。
太陽のパワーが強まり、花咲き乱れる季節。
イースターはキリストの復活を祝うとともに、春を迎える喜びのお祝いでもあります。
イースターの名前の由来とは?
イースターの語源は諸説ありますが、どれも確実なものではありません。
復活祭を表す英語「イースター(Easter)」は、ゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」の名前に由来していると言う説があります。
本来はキリスト教徒とは関係のない異教徒の春のお祭りだったのが、復活祭と統合されていったとも言われています。
寒さの厳しい暗い冬から、明るく草木が芽吹き花咲く春に移行する様子は、確かにキリストの復活とイメージが重なるのかも知れません。
モアイ像の島「イースター島」とイースターに関係はあるの?
1722年にオランダ人のヤコブ・ロッゲフェーンがこの地に到着したのがたまたまイースターの日だったので、「イースター島」と名付けられました。
現地の人は「ラパ・ヌイ」(広い大地、大きな端、の意)と呼んでいます。
イースターには、具体的に何をしてお祝いするの?
イースターといえば、ヨーロッパでは大型連休のひとつ。
学校は1週間以上休みになり、夏休みに並ぶ旅行ハイシーズンでもあります。
日本でいうゴールデンウィークに近いものがあり、イースター前後はお店など全て休みになるため、旅行者は注意が必要です。
ヨーロッパでは、イースターには基本的に家族で集まって食事をしたり、敬虔なキリスト教信者はミサ・礼拝に参列して過ごします。
日本はキリスト教人口の少ない国ですので、どちらかというと、イースターは春のお祭りとしてお祝いすることになるでしょう。
イースターエッグやバニーを飾り、春らしいデコレーションを楽しむ
ヨーロッパでは、イースター1~2ヶ月前からスーパーやお菓子屋さんに卵の形やウサギの形をしたチョコレートが並び始めます。
ペイントされたゆで卵も売られ、雑貨屋さんではイースター用のデコレーション用品がずらり。
クリスマスにツリーを飾るのと同じような感覚で、卵やウサギをモチーフとした飾りつけをします。
なぜ、イースターに卵なのかは諸説あります。
「一見動かない卵(死)から、ひよこが生まれてくる(生)」と言うことで復活のモチーフとされているという説、断食の間卵が食べられないため保存して置いてイースターにここぞとばかりに卵料理を振舞うという説などありますが、古来より多産なウサギと卵は豊穣のシンボルとされてきた様です。
イースターエッグは、家庭でも簡単に作れます。
ゆで卵を作り、お酢と着色料を混ぜたお湯に浸し、乾かすだけ。
または、絵の具やマジックでペイントしてもOKです。これならさらに簡単ですので、子供も一緒に作れます。
デコレーションを楽しんだ後は、ゆで卵として食べてしまいましょう。
イースターエッグを使ったゲーム
各家庭で簡単に実践できるものが多いので、家族や友人知人と一緒に、イースターエッグで遊んでみてはいかがでしょうか?
エッグハント
家の中や庭に卵を隠し、子供たちに探させるゲームです。
「イースターバニーが卵を隠してしまった」と言う設定で遊びます。
本物のイースターエッグでやることもありますが、子供が踏んでしまうと大変なことになるため、最近はチョコレート型の卵の中におもちゃのマスコットが入った商品が多く売られています。
年によって流行りのキャラクター人形が入っていて、子供は大変喜びます。
エッグロール
大きめのスプーンを使って、卵を割らないように転がしてゴールまで持っていく遊びです。
卵はまっすぐ転がらないため、想像以上に盛り上がります。
エッグレース
こちらはスプーンの上に卵を乗せ、落とさないようにしてゴールまで走るゲーム。誰が一番になるか競います。
インペリアル・イースターエッグ
番外編として、ロシアの「インペリアル・イースターエッグ」というものが存在します。
これは、金銀に宝石が散りばめられ、卵の中身にはサプライズと呼ばれる仕掛けが施されたもの。
元々、ロシア皇帝が結婚記念の贈り物として作らせていたもので、イースターの季節に毎年献上されていました。
希少価値があり、大変高価です。
映画などで狙われる宝石として登場したのを見たことがある人もいるのではないでしょうか?
今でも、ロシアではレプリカが作られ、贈り物として人気があります。
まとめ
クリスチャンにとって、イースターはなくてはならない一大イベントです。
日本での認知度はまだまだですが、近年は遊園地やテーマパークでイースターイベントが開催されてきています。
また、メディアでイースターが取り上げられることも増えてきたため、少しずつ注目を集めているイベントです。
クリスチャンでない私たちは、イースターを春のお祭りとして楽しみ、イースターエッグやバニーをデコレーションして楽しむのが良いのではないでしょうか。
お花見もかねて、イースターピクニックなんてのも楽しいかもしれません。
春らしい色とりどりの飾りつけで、とっても春らしい気分になりますよ。