社畜、仮面社畜などという言葉がどうしても馴染めない方も多いのではないでしょうか?
言葉自体に良い印象はないと思いますが、会社に従事しているという意味合いで使っています。言葉に過敏になるなど、神経質になる必要はありません。
少し前まで『企業戦士』などという言葉で使われていましたが、それは景気が良かった頃の話です。
今は安い賃金や無給、サービス残業覚悟の上の『会社に買われる』から『会社に飼われる』時代へ・・・。
社畜であっても仮面社畜であっても、またどちらにも属さないとしても、会社で働く身としてどう働くか、会社内での自分の立場をどう考えるかのヒントになるかもしれません。
『社畜』と『仮面社畜』の違いとは
『しようがないよ、自分は社畜だから』などと、若干自虐的に『社畜』という言葉を口にすることがあります。社畜という言葉は少し前から使われ始め、会社員の間ではあまり良い意味で使われたことがありません。
自虐的な意味で使われるほか、職場の同僚で日頃のストレスを晴らしたり慰めあう時に使ったりしますが、最近は社畜に対して『仮面社畜』という言葉も出てきました。それでは、社畜と仮面社畜の違いはどこにあるのでしょうか。
簡単に言えば、会社にとってどのような立場なのかということです。自分が会社にとって『利用される側』なのか、それとも『利用する側』なのか・・・。話題になっている仮面社畜は後者の『利用する側』になります。
社畜か仮面社畜か、判断するべきポイント
仮面社畜についての本なども発行され、早くも社畜か仮面社畜かの判断ポイントやセルフチェックなどもインターネット上に掲載されています。『いや、どう考えても自分は社畜です』という方もそうでない方も、ごく一部ですがセルフチェックしてみませんか?
□ どんなに熱が出ても出勤する
□ お金や生活のために仕方なく働いている
□ 今の職場は不満があり嫌だが転職する勇気はない
□ 仕事のあとの飲み会につきあわされることが多い
□ 休日でも会社から電話がかかってくることがある
□ 上司が言ったことは絶対に断れない
□ つきあいや取引先の商品などを買わされることがある
□ 決められたノー残業デーを守ったことがない
あてはまることが多ければ多いほど、会社に飼われている社畜ということになるようです。社畜でなくても社畜予備軍であると判断されることもありますし、だからといって仮面社畜であるということではありません。
海外でも存在する『Wage slave(ウェッジスレイブ)』 日本の社畜とは少し違う
馬車馬のように働く日本人、地震がこようと台風がこようと時間がくれば会社へ出勤しようとすると酷評されることもしばしばありますが、海外ではどうなのでしょうか?
実は、『Wage slave(ウェッジスレイブ)』という英語は存在するのです。意味は賃金奴隷、賃金生活者。もちろん、ニュアンスとしてはあまり良い意味で使われることはありません。自嘲気味だったり自虐的だったりで、日本人が使う社畜と同じです。
それでは海外版のWage slave(ウェッジスレイブ)の仮面をかぶったような存在を示す言葉はあるのでしょうか。今のところそれは見当たらず、Wage slaveは学費ローンを抱えて収入をローン返済に負われる社会人をさして言うことがあります。
日本の会社員でも住宅ローンや教育ローンを抱えている方はいますが、だからといって日本でいう社畜かといえば少し違うかもしれません。日本の社畜の場合は、会社に仕事の枠を越えて心身まで捧げるような従属感が伴っています。
社畜ではダメ? それなら仮面社畜だって・・・の賛否両論
社畜や仮面社畜についての書籍が発行されて話題になっていますが、関連書籍を含めて読まれた方のレビューは賛否両論です。年齢や職場での立場によって見解の相違があるように、社畜そのものにも、仮面社畜についても『どちらも賛同できない』という感想もあります。
社畜は上司のために仕事をし、毎日の過酷な残業をいとわず、心身ともに疲弊しても当然だと思っていますが、仮面社畜はそれらをバッサリと切り捨てます。なぜなら、それらは非効率な方法であったり、疲労がたまる一方で精神衛生上もよくないからです。
上司の指示だけに従い、ひたすらこなしていく社畜とは違い、仮面社畜は出すべき結果を出すことだけを考えて上司がどう思おうと関係ないですし、従いません。だからこそ、増え続ける会議なども非効率で無意味と判断すれば、仮面社畜は出席しません。
しかし、上司に従う社畜が批判されているように感じますが、実際の会社では仮面社畜が『既存のルールに従わない自分勝手なやつ』と映るのです。会議に出ることになっているのに自分で『無意味だ』と判断すれば出席しない、上司からの指示に従わない仮面社畜を『上司の指示にすら従えない』、『自分の立場を勘違いしている』とも受け取られます。
社畜も仮面社畜も立場が変われば考え方も変わる
個人の経験から基づく社畜と仮面社畜のボーダーですが、明確なところはまだよくわかっていません。上手に説明できる方もいれば、関連書籍を読んでもよくわからないと答える方もいます。
年齢的なもので一概に区別はできませんが、若年層は組織のやり方に縛られず、結果だけを求められるシンプルな方法は理想的でしょうし、そうありたいと思うかもしれません。その一方で、中高年層にとってはそのような理想を現実にした途端、組織の中では生きていけないと経験上わかっています。
しかし、どちらも会社という組織に飼われる社畜に違いはありません。ちょっと毛並みが違う社畜がいるだけで、以前から仮面社畜はいたでしょう。また、企業内でも職人気質と呼ばれていた社員は会社組織を上手に使っていた仮面社畜のハシリかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今話題の『社畜と仮面社畜』についてまとめてみました。
自分が社畜か仮面社畜かと知るには違いを知る必要がありますが、これがなかなか説明に苦慮する難題です。どちらの生き方を選択するにしても社畜は社畜、どちらも会社に雇われているからこそという立場では変わりありません。