夢占いで、泣く夢が象徴するものとはなんでしょう?
一般的に『泣く』ことは、辛いことが起きたり、何かを我慢していたり、身体的な痛みを感じたりするようなマイナスイメージが付きまといます。
一方で、泣くことによってストレスが発散され、実際にセロトニンというホルモンが分泌されて気持ちがすっきりすることも知られています。
泣くことは「感情の浄化」であり、気持ちを素直に受け入れること。それは夢の中であっても、同じです。
あなたは心の荷物をひとつ降ろして、身軽になることができます。
夢占いにおいて、哀しくても泣いても、嬉しくて泣いても、泣く夢は、おおむね吉夢で、悩み事が消える暗示と考えていいでしょう。
ただし、泣いているのが自分ではない誰かの場合、違った意味になります。
亡くなった親戚が泣いている夢なら、あなたの評判がひどく落ちる暗示になります。
子供が泣いている夢なら、あなたが今とても無防備になっていて、苦しい立場に立たされても反撃できない暗示です。
あなたの両親が泣いている夢なら、今、あなたが重大な岐路に差し掛かっていて、選択を間違うと大変な目に遭うという警告夢と考えていいでしょう。
また、泣くシーンによっても、さまざまな解釈が成り立ちます。
夢占いにおける泣く夢は、具体的にどのようなことをあなたに伝えようとしているのでしょうか?
異性が泣いている夢
異性が泣いている夢占いは、現実にあなたを恋しく想って、苦しい思いをしている人がいる暗示です。
夢の中で泣いている異性が魅力的な人であれば、互いに嫉妬したり、駆け引きをしたり、ややこしい恋愛関係にもつれ込む可能性を暗示していますし。
タイプでない異性が泣いている夢の場合は、あなたが一方的に愛される側になることの暗示です。
身近に、よく目が合う異性はいませんか?
やたら話しかけてくる異性はいませんか?
あなたと異性が恋に落ちるのはまだもう少し先ですが、お付き合いを始めたら、あなたが愛される側になることは間違いなさそうです。
家族が泣いている夢
家族が泣いている夢占いは、家庭内で、家庭のバランスを保つために誰かがムリをしていて、やがてそれが思わぬ形となってあらわれる警告夢になります。
一般的に、家族の問題はもっとも弱い立場の人が背負わされることになります。
立場が弱いとは、年齢が小さいとか、発言権がないといった意味ではなく、もっとも家族のためにムリをしている、という意味です。
母親のお手伝いをよくしていた娘が急に反抗的になる、成績抜群だった息子が勉強を放棄して遊びまわる、まじめだった父親の浮気が発覚する、毎晩酒を飲んで帰るようになる、などが典型です。
家族という生命体はそれ自体が意志を持っていて、その意志のために、立場の弱い人が支えになり、背骨が折れ曲がるほどの負担を背負うようになってしまいます。
背骨がついにポキンと折れてしまうとき、その人が病気になったり、勉強を放棄したり、家出したりしてしまうのです。
家族のだれが我慢をしているでしょうか?
この夢を見た人が、早急にそのムリを取り除かないと、やがて取り返しのつかないことになってしまいます。気を付けてください。
感動して泣く夢
感動して泣く夢占いは、大きな幸運が近づいてくる暗示です。
とくに、泣き方が激しければ激しいほど、浄化される感情も大きく、浄化された分だけの幸運があなたの心を震わすような出来事で満たしてくれるでしょう。
何に感動して泣いたか、思い出せなくても構いません。
感動して泣くときは、たとえそれが現実であろうと夢の中であろうと関係ありません。
背負っていた心の荷物が必ず溶けて、軽くなり、そこに幸運が入り込んできます。
この夢を見たら、間もなく、現実にも泣いて感動する出来事が起こるでしょう。楽しみにしていてください。
好きな人が泣く夢
好きな人が泣く夢占いは、これから二人の理解が進み、関係が進展する暗示になります。
泣くということは、感情の浄化であり、何かに心を動かされ、共感する第一歩です。
好きな人が泣いているのは、あなたとその人との感情のパイプが出来上がった証しであり、あなたの気持ちがその人に流れ込むと同時に、その人の気持ちもあなたに伝わりはじめている証しでもあります。
気持ちが通い合えば、そこから関係が進展するのはごく自然なこと。
ムリをする必要もなく、好きな人と過ごす時間をもつことができそうです。楽しみにしていてください。
子供が泣く夢
子供が泣く夢占いは、今、あなたがとても無防備になっていて、外部からの攻撃や中傷に身を守ることができず、窮地に陥る可能性がある暗示です。
泣いている子供が幼ければ幼いほど、あなたは無抵抗にされていて、どうやってもその攻撃を跳ね返すことができないかもしれません。
ただし、実は、無抵抗は最大の武器になります。
攻撃する側は、最初のうちは調子に乗ってやりたい放題してきますが、無抵抗の人に加え続ける攻撃は、やがて周囲にひんしゅくを買い、孤立を招き、結局は攻撃した側がその場を去る運命になります。
子無抵抗な人に与える攻撃は、その人の立場を必ず悪くしますので、今はじっと耐えてください。
時間が経てば経つほど理解者が増え、有利な状況になります。
怒りながら泣く夢
怒りながら泣く夢占いは、今、あなたが自分でも否定したいような怒り、悲しみ、過去の恥ずかしい出来事、憎しみなどに触れ、感情を抑えきれなくなり、今にも溢れそうな状態になっていることを示しています。
ここで、どうしてもお伝えしたいことがあります。多くの人が勘違いしていることです。
それは、憎しみ、悲しみ、人を羨む、怒りなどのネガティブな感情をもつことは悪いことではありません。
そんな感情を持ってはいけないと否定したり、否定しなければいけないと人に命じる必要などないのです。
感情というものは、潜在意識の海から自然に湧き上がってくる風であり、雨であり、自然現象です。
その自然現象を人力で否定し、封じ込めようとすると、その内圧が高まったときに大爆発を起こして、それこそ人生を台無しにするようなことをやってしまいます。
感情はそのまま受け入れ、泣いたり、日記に書いたり、ブログに書いたりして発散するのがいいです。ただ黙々と受け入れるだけでも、やがて溶けて消えます。
ネガティブな感情を恐れて蓋をしたところで、蓋はかならず思わぬ形ではじけ飛び、現実で害を及ぼします。
人は心の中で、たとえ殺したいほど人を憎んでも、実際に行動を起こさない限り、何の罪にもなりません。
ネガティブな気持ちを持って、自分を責めたり、罰したりするのは、とても愚かでつまらない行為であることを肝に銘じてください。
もし夢で怒りながら泣いていて、目覚めた後、気持ちがすっきりしているならば、感情の浄化がうまくできたことになりますので、幸運も近づいてくるでしょう。
同性が泣くのを見る夢
同性が泣くのを見る夢占いは、実際に知り合いの同性や友人が泣いているのを見た場合と、見知らぬ同性が泣くのを見た場合とで解釈が変わってきます。
友人が泣いている夢は、その友人とわだかまりがあったり、互いに引っかかるものがあることを示し、わだかまりがまだ二人の間に残っていることを示します。
今、ほじくり返しては互いの傷になりますので、しばらくそっとしておいたほうがいいでしょう。
見知らぬ同性が泣いている夢は、あなたが自分で消化できていないネガティブな感情や思いが浄化する段階に入ったことを示します。
それは、思い出すのも痛みを伴うような感情かもしれませんが、一度浄化をはじめると、痛みと共に心が軽くなってくるのを実感するはずです。
恐れずに、自分の気持ちと向き合ってください。
悲しくて泣く夢
悲しくて泣く夢占いは、あなたが徐々に自分と向き合いはじめ、感情を素直に受け止めはじめている暗示になります。
あなたは恋人を失いたくないばかりに、自分の気持ちを押し殺したり、相手に合わせすぎて疲れたり、嫌なことを言われても笑って許してあげていませんか?
実は、そういう気遣いは、二人にとってマイナスにしかなりません。
まずは、自分の気持ちを素直に受け入れないと、次第に怒りが溜まってきて、いつか臨界点を超えて爆発してしまいます。
感情は我慢するものではなく、受け止め、浄化するものです。
もし怒りを感じるのが怖くて気持ちを誤魔化していたり、見て見ぬふりをしているのだとしたら、その感情はいつか必ずあなたの人生を捻じ曲げる勢いで、存在感を示してきます。
悲しくて泣く夢を見て気持ちがすっきりしたのであれば、自分の気持ちに徐々に向き合えている段階に入っていますので安心してください。
もし、夢の中で悲しくて泣いていて、目が覚めてもまだ悲しかったり、すっきりしない場合は、あなたの自分の気持ちの誤魔化し具合が相当根深く、いずれ大変なことになる警告になります。
素直に自分を、見つめ直してみましょう。それだけで事態は好転します。
人との別れで泣く夢
人との別れで泣く夢占いは、現実に別れを経験するという意味ではなく、実際にもし別れが訪れたときの予行演習として泣いている意味合いが強いでしょう。
別れがつらいと言っても、人生に別れはつきものです。
たとえ生涯を共にしても、死ぬときはたったひとりで死んでいきます。自分の心は、自分だけが抱いてあの世へ旅立っていくのです。
別れを恐れるよりも、『別れがあるからこそ出会いが輝く』と気持ちを切り替えましょう。
そうすれば、一日一日を大切に生きられるようになり、より一層人生が充実します。
涙が印象的な夢
涙が印象的な夢占いは、夢の中で流す涙によって、不幸が押し流され、幸運が訪れる素晴らしい吉夢です。
涙には『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンが含まれ、幸福を感じる気持ちを増幅してくれる作用があります。
泣いて気持ちがすっきりするのは、涙を流すという行為そのものが心の浄化につながると同時に、セロトニンを分泌させ、物理的に幸福感を増すという相乗効果があります。
涙を流してはいけない、と思うことは間違いで、夢の中だろうと現実だろうと、悲しい時は泣くべきです。むしろ、積極的に泣いて浄化させたほうが幸運の近道でしょう。
ただし、人の同情を引くためや自分の立場を守るための涙は、すぐそのあざとさを見抜かれます。
泣くときはできるだけひとりで、思う存分、泣くようにしましょう。
その点、夢の中で涙を流すのは、誰にも迷惑をかけないもっとも手近で素晴らしい効果のある『幸福を引き寄せるセロトニン活動』になりますので、何が起きるか楽しみにしていてください。
まとめ
泣く夢占い、いかがでしたでしょうか?
泣くことを忌む文化が日本には根ついていて、とくに男性は涙を流すのを否定されることがあります。
一方で、日本人以外の人は、本当によく泣きます。
男女にかかわらず、人前で涙を流しますし、葬式などでは『泣き女』というプロの涙を流す人を雇って葬式を賑わす文化さえ諸外国にはあります。
泣くことが心の浄化に繋がり、人を前に進ませ、新しい一歩を踏み出す原動力になることを、古くから人々は知っているのです。
以前、私は個人のブログで『泣きクラブの活動報告』的な記事を読んだことがあり、自分も家が近かったらぜひ参加するのになあと、とてもうらやましく思いました。
泣けそうな映画のDVDを借りてきて一緒に鑑賞したり、泣ける文庫本を持ち寄って交換し合ったりして、大いに泣くことを目的としているそうです。
毎週、何か『泣けること』に触れられて、涙を流せる環境にあることは、実は贅沢なことなのです。
戦中の写真で、アメリカのカメラマン、ジョー・オダネル氏が撮影した原爆が落ちた直後の長崎の写真に、『焼き場に立つ少年』というのがあります。
背中にまだ赤ちゃんの、死んだ弟をくくりつけ、その弟を焼き場に連れてきて、直立不動で立っている少年の写真です。
涙は見えません。
でも、その内部の、浄化をも許さない強い意志で、感情を抑え込んでいる少年の悲しみは、見るものを圧倒させる迫力を備えています。
泣きたくても泣けない、本当に悲しい時は涙が出ない、という事実を、これほどあらわしている写真は、ちょっとないでしょう。
泣けることは、幸せなことです。
涙は人を、幸せに導く作用があります。
堂々と泣ける幸せを噛み締めることこそ、本当の幸せに近づくことではないでしょうか。