日本人は古来より『言葉には霊的な力が宿る(いわゆる言霊:ことだま)』という言葉の持つ不思議な力を信じてきた国民です。
言葉は、人をやる気にさせたり、癒したり、大きな勇気や愛情を感じさせてくれる反面、やる気を奪ってしまったり、悲しい気持ちにさせたりと人に何らかの影響を常に与えています。それは、日々何気なく使っている言葉も同様です。
今回は、日々何気なく使っている言葉を中心に自分に悪影響を与えかねない言葉(思考停止ワード)を紹介していきます。
時間がない
1日の時間は24時間で増やすことはできません。自分の時間(休息やリフレッシュとして重要です)を減らさずに新しい取り組みを行う場合、できることは
・やることを減らす
・早く終わらせる
・優先順位を見直し、毎日・週・月の時間軸を調整する
事しかありません。
これらを行うためには、考え方を変えてみたりいろんな方法を試して自分にあった方法を見つけ出していくしかないのです。
今は確かに時間がないのかもしれませんが、この言葉(時間がない)を安易に発してしまうと時間をつくるためのモチベーションも壊してしまいがちになるので注意しておきましょう。
この言葉を自分に投げかけるとしたら『時間を作るとしたら』という言葉とセットで投げかけてみてください。
ドラスティックなアイデアは生まれないかもしれませんが、積み上げていけば時間が有効に使える可能性が高くなるかもしれません。
やっている
自己成長には、今までに取り組んだ事の無い新しい要素にチャレンジして自分の成長の糧とするというものと、今まで取り組んできたことの効率化や磨き上げる(更なるプロフェッショナル化)ものとに2分されます。『やっている』という言葉の投げかけはこのプロフェッショナル化を妨げる言葉だと認識しておきましょう。
この言葉を自分に投げかけたとしたら『もっといい方法はないかな』という言葉をセットで用いるようにしましょう。
無理です
無理ですという言葉には、だれがどうやっても無理な場合と人には出来るかもしれないが自分には無理。という2つのニュアンスがあります。
誰がどうやっても無理という時にこの言葉を用いるとそれを言ったことにより、信頼されるケースがありますが人には出来るかもしれないが自分には無理。という場合に予知いた時は、その無理を自分自身の中で棚卸しておく必要があります。
例えば
・その無理は、自分のスキル的に無理なのか
・その無理は、今までに経験がないから無理なのか
・その無理は忙しくて時間がないから無理なのか
・その無理は、じぶんがやれる条件がそろわないから無理なのか
というようになぜ無理なのかを自分に問いかけてみましょう。
この棚卸を行うことで現状では無理でも『成長すれば可能になる。』では『可能にするための成長プロセスは? 』と、自分自身に成長の道筋が見えてくる場合があります。
もし自分に無理ですという言葉を投げかけるとしたら『なぜ無理と思うのか』『どうすればできる? 』という言葉をセットで投げかけてみましょう。
知っている
『知っていること』と『実行する』という事は密接な関係があります。それぞれに段階があり相互に干渉しあう事だからです。
例えば
・知っているけど実行しない場合
・実行したけど知らない場合
・知って実行してまた知った場合
・知って実行してまた知ったけど次を実行しない場合
などです。
昨日できたことと同じようにやってもうまく行かないケースがあるのが人生です。知っているという言葉でひとまとめにしないように注意しましょう。
もし自分に知っているという言葉を投げかけるとしたら『やってみよう』とか『さらに良くするためには』という言葉とセットで投げかけてみましょう。
キャリアアップ(ステップアップ)
キャリアアップやステップアップには特定機能のレベルをいま以上にしていくことに着目する『深めていくタイプ』と技能のバリエーションをいま以上に広げることに着目する『広げるタイプ』の2種類があります。
また、自分が成長(キャリアアップ・ステップアップ)していることを実感したり、認識する事柄に取り組んでいたとしてもそれを漠然とこなしているだけでは意味がありません。この様な言葉を用いて漠然と納得するのではなく、具体的にどのような要素や技能がアップしているのか認識するようにしましょう。
その為には、技能を細分化してみることも重要です。
例えば、営業という職種をしていてステップアップを感じているとしたら、それはお客様と面談している時なのかアポを取る営業電話なのか、面談とすると商品を提案するプレゼンなのかお客様の要望を引き出すヒアリングなのか、あるいはお客様の判断を引き出すクロージングなのか。といったぐあいに細分化して認識していくことで初めてそのステップアップを自分のものにできるのです。
まとめ
いかがでしたか?
思考停止ワードの怖いところは、現状認識に留まらず成長(その改善や次のアクション)をもむしばんでしまうところにあります。
ですので、今回紹介した言葉は現状を認識するためには必要な言葉です。そのことをふまえて紹介したような言葉とセットで用いるようにしましょう。