水上に建ち、あたかも海に浮かんでいるように見える厳島神社。
日本三景の一つであり、常に多くの観光客が訪れます。
2016年度の外国人に人気の日本の観光スポットランキングでは、第3位(トリップアドバイザー)にも入っており、その神聖さと絶景の美しさから注目され続けている厳島神社。
厳島神社のある宮島は、島自体が神社の御神体とされています。
神様が住む島とされてきたため、鎌倉中期(1250頃)以前は人が住むことが禁じられており、現在も農耕は厳禁とされているほど神聖な場所です。
厳島神社の旅行を計画している方、ご利益のあるパワースポットが気になる方には、きっと役に立つご利益スポット情報や参拝方法をご紹介します。
厳島神社には、福運、勝運、仕事運、交通安全、航海安全、病気平癒、縁結びなど、多種類のご利益があります。
また、厳島神社は、市杵島姫(いちきしまひめ)・田心姫(たごりひめ)・湍津姫(たぎつひめ)の三女神が祀られおり、海の神様として信仰されています。
そのため、瀬戸内海航路の守り神とされ、特に、海上安全のご利益が有名です。
また、平清盛をはじめとする平家一門や多くの武士からの信仰を受け、必勝祈願のご利益でも知られています。
実は、宮島には厳島神社以外にも多くの由緒ある神社、寺院があり、厳島神社と併せて参拝することで様々なご利益を頂くことができます。
参拝ルートにそって、スポットを見ていきましょう。
地御前神社(じごぜんじんじゃ)
出典元:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
厳島神社のある厳島へ渡るには、一般的に宮島口からフェリーに乗船してアクセスしますが、実はフェリーに乗る前に厳島神社と深い結びつきのある神社があります。
それは、厳島神社の外宮として建設された地御前神社。
かつて宮島に人が住むことを禁じていた時代に、人々が遥拝できるように対岸に建設され、そこから発展したと言われています。
厳島神社に比べると注目度は低いですが、厳島神社と同じ宗像三女神を祀った神社です。
地御前神社が外宮、厳島神社が本殿、そして、弥山の御山神社が奥宮となっていて、この3社をセットで参拝するのが正式な参拝方法です。
広島市内から向かって宮島口より少し手前の、広島電鉄宮島線地御前駅から線路沿いに歩いて10分ほどですので、旅行スケジュールに余裕のある方や特別なお願い事がある方は訪れてみることをおすすめします。
スポット名:地御前神社
所在地:広島県廿日市地御前5-17
厳島神社
フェリーで宮島に到着し、道なりに歩いていくと、すぐに厳島神社があります。
元来は水上の大鳥居を船でくぐって昇殿していましたが、現在は宮島港桟橋に入港しますので、船から大鳥居を臨み、気持ちだけ大鳥居をくぐることをイメージします。
スポット名:厳島神社
所在地: 広島県廿日市市宮島町1−1
1.石鳥居をくぐって神社内へ
出典元:http://www.kinsui-villa.jp/press/?p=4325
まずは厳島神社手前の石鳥居をくぐります。
鳥居手前で神社に向かって一礼し、鳥居の中央ではなく両端を通ってくぐります。
中央は神様の通り道と言われているので、通らないようにしましょう。
昇殿料(一般大人500円)を支払い、その先にある手水舎で手水を清め、回廊に進みます。
2.客神社、祓い所
出典元:http://www.kinsui-villa.jp/press/?p=1144
回廊入り口で一礼し、ここも鳥居と同じく中央は神様の通り道なので橋を通って進みましょう。
まずは最初の社「客神社(まろうど神社)」がありますが、まずはその向かいにある「祓い所」の前で身体の祓いをします。
出典元:http://www.kinsui-villa.jp/press/?p=1144
厳島神社では、「2礼、2拍手、1礼」と言うのがお参りの作法ですので、それに則ってお参りをしてから、祓い串を使ってお祓いします。
祓い串の使い方は、まず胸の高さに祓い串を構え、肩へ左、右、左と祓って一礼をします。
肩の高さと言うのがポイントで、頭より高くしたり、足元を祓わないようにしましょう。
3.本殿
回路を道なりに進み、御本社へ。
拝殿前の賽銭箱前でしっかりとお参りをします。
その次に右門客(みぎかどまろう)神社、左門客(ひだりかどまろう)神社をお参りします。
この2つの神社の間には、平舞台、高舞台があり、大鳥居が正面に見えます。
4.大黒神社、天神社、能舞台
続きの回廊に沿って大黒神社、天神社をお参りします。
天神社に向かって右側には、大きな太鼓橋があり、風情な景観が楽しめます。
出口付近には、日本で唯一海中に建てられている能舞台があります。
毎年4月16日から18日まで3日間「桃花祭御神能」が催され、江戸時代からの本式な能を鑑賞することができます。
回廊を抜けて境内地から出るときに、最後に厳島神社に向かって一礼します。
なお、厳島神社内参拝中は本殿に向かってお尻を向けないように注意しましょう。
5.大鳥居
出典元:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
参拝時間や干潮時間次第ですが、もしここまで来たタイミングで潮が引いていれば、またとない機会ですので、大鳥居まで歩いてみましょう。
この大鳥居の根元は、海底深くに埋められているわけではなく、鳥居そのものの重みだけで立っています。
台風や地震でも動いたり倒れたりしないそうで、その大きさに圧巻されること間違いなし。
貝や蟹などが多く見られますので、海岸を歩けるような靴を履いていきましょう。
大願寺
By Taisyo – photo taken by Taisyo, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12866625
厳島神社を出たところに、「大願寺」があります。
実はここ、多くのご利益が頂けるスポットとして知られています。
大願寺の中にある「厳島弁財天」は、日本三大弁財天の1つ。
弁財天は学業や芸術、芸能の神様とされていますが、厳島弁財天はさらに福徳、医薬、智恵、生産、海運、音楽、弁論など現世利益の女神と言われています。
ただし、御開帳されるのは1年に1度、6月17日のみとなっています。
境内の池の中には、弁財天を守護する厳島の龍神が祭られており、パワースポットと言われています。
本堂の正面手前には「なで仏」という仏さまがあり、自分の体の悪い部分をなで仏でさすり、その手で自分の体の悪い部分をさすれば良くなるというご利益で知られています。
大聖院
By Bernard Gagnon – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4150472
大願寺から徒歩5分。
境内には多くのご利益仏がいらっしゃり、一巡りすれば家内安全、商売繁盛、学業成就など、様々なご利益を得ることが出来ます。
その中でも特に注目したいのが、大聖院の奥、大師堂の裏手にある一願大師です。
その名のとおり、1つだけ願いをかなえてくれるので、具体的に達成したい願いがある人にはおすすめのスポットです。
具体的な願い事が決まっていない人も、「一つだけ願いを叶えるとしたら何だろうか・・・」と、自問自答をして自分の本当の望みに気がつくきっかけになりますので、人生が変わる場所になる可能性があります。
幸神社(さいのかみのやしろ)
出典元:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
大聖院から徒歩15分。
名前からして様々なご利益がありそうな神社です。
小さな神社ですが、旅行安全、夫婦円満、恋愛成就のご利益があると知られており、特に女性に人気があります。
ご祭神は、道路の悪例を防ぎ、道行く人を守護する道祖神「猿田彦神」。
宮島は旅行中に訪れる方も多い場所ですので、無事に帰路につけるようお願いすると良いでしょう。
神社前を過ぎた細道からは五重塔を望むことができ、美しい景観を楽しむことも出来ます。
五重塔、豊国神社(千畳閣)
幸神社まで来たら、すぐそばにある五重塔、豊国神社へ立ち寄りましょう。
豊国神社(千畳閣)は、宮島で一番大きな建造物であり、畳857枚分の広さがあります。
出典元:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
靴を脱いで板張りの床に上がると心地よく、ここまで歩いてきた足の疲れを休める人も多く見られます。
厳島神社を見下ろす位置にあり、厳島神社の全景が眺められます。
絵馬が多く掲げられ、そして目を引くのが巨大なしゃもじ。
実は、ここ宮島はしゃもじの発祥の地であり、弁財天の琵琶の形から考案されて、御山の神木を使って作られていたそうです。
「ご飯を抄い取る、飯取る」から「敵を召取る」となり、幸運、福運、勝運を招く縁起物とされています。
弥山(御山)
By Daderot – Daderot, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17723808
神々が宿る山として古くからそびえる弥山(みせん)。
ロープウェイで上ることができ、頂上駅までの標準所要時間は約一時間です。
駅から頂上まで、さらに30分下り道と登り道を歩くことになりますので、体力と行程に余裕のある人向けですが、非常に神聖なスポットです。見どころも多く、景色も素晴らしいので、訪れる価値はあります。
歩いて登山または下山することも可能ですが、片道2時間前後かかり、高低差が大きく険しい道のりになります。
ですから、宮島に宿泊するなど、かなり余裕を持った旅程を組む必要があります。
1.弥山本堂、霊火堂「きえずの火」
大同元年(806年)、弘法大使が百日間の修法に及んだ弥山本堂。
霊火堂では、修法時の護摩の火が今日まで1200年間途絶えず燃え続けており、「きえずの火」と呼ばれています。
この火にかけられている大茶釜で沸かした冷水を飲むと「万病に効く」と言われており、その場でお茶を頂くことができます。
「恋人の聖地」とされており、デートスポットとしても大変人気です。
2.御山神社
出典元:http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
弥山本堂よりも更に足をのばして訪れたいのがここ、御山神社。
ここに厳島大神が降臨したとされ、古くより弥山の聖域とされてきた場所です。
訪れると他の場所よりも空気が澄んでおり、特別な空気感を感じることができるはずです。
厳島神社の奧宮であり、やはり厳島神社と同じ宗像三女神が祀られています。
観光スポットとしては霊火堂の方が注目されていますが、実は正式な参拝ルートに欠かせないのが御山神社です。
弥山頂上まで来たのなら、絶対に訪れることをおすすめします。
宮島で買えるお守りやお土産は?
1.厳島神社のお守り
厳島神社では、開運、厄除け、縁結び、学業成就、交通安全、家内安全などあらゆる種類のお守りが揃っています。
人気が高いのは、「交通安全お守り」と「開運お守り」。
厳島神社の交通安全守りは、他の神社のお守りと少し異なり、普通の交通安全のご利益に加えて、海上安全、水災や水難から護られると言うご利益が付加されます。
初穂料は、1つにつき500円です。
交通安全や開運守りほど注目されてはいないものの、もう1つ有名なのが「縁結びお守り」。
厳島神社に祀られた宗像三女神うち「田心姫命」と「湍津姫命」は、縁結びの神である出雲大社の「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と結婚して、夫婦の契りを結ばれた神々です。
どちらも大国主命との間に子神を授かっており、夫婦仲は円満であったと言います。
その様なご縁と夫婦円満にあやかった厳島神社の「縁結びのお守り」、非常に強力な縁結びのご利益が期待できます。
ところで、お守りの効果は1年と言われますが、授かったお守りはその後どうすれば良いのでしょうか?
お守りは本来、授かった神社に返納するのが最適な方法です。
厳島神社には、古いお守りを回収するための「古札回収箱」が設置されていますので、行く機会を作れるのであれば、そちらにお返ししましょう。
また、毎年1月14日には、お焚き上げの儀式「とんど」が行われるので、その時期に併せて訪れるのが理想的です。
しかし、宮島までは遠くてなかなか足を運べない方も多いと思います。
その様な場合は、「お焚き上げ希望」と封筒に明記し、郵送で返納する方法もあります。
2.しゃもじ(杓字)
豊国神社(千畳閣)のところでも触れましたが、宮島はしゃもじ発祥の地。
島中でお土産物として「宮島」と書かれたしゃもじが売っています。
「商売繁盛」「必勝」「家内安全」などの言葉もかかれており、多くの種類があります。
宮島の表参道商店街には「杓字の家」と言う杓字専門店があり、すべての杓字に文字が手書きで書かれています。
小さな木製しゃもじのついたストラップは、無料で名前を入れてもらうことができ、お土産としてとても人気があります。
杓字を売っているお店は宮島内に多くありますので、気に入るしゃもじに出会ったらお土産に買ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
宮島には厳島神社をはじめ、多くの参拝スポットがあります。
ここでお伝えしたように、厳島神社だけ観光して帰ってくるのではなく、奥宮・御山神社のある弥山、そして出来ることならば外宮である地御前神社も併せて参拝して、より強力なパワーをいただいてください。
また、周辺の神社、寺院を巡ることによって、多種類のご利益を網羅することが可能です。
美しい自然の景色も堪能でき、由緒ある歴史も感じられる宮島、厳島神社。
広島カープも優勝したことですし、今、広島はアツいです!!