あなたは、水子供養の『水子(みずこ)』という言葉が、どこからきているのかご存知ですか?
実は、日本神話からきています。
イザナギとイザナミが子作りのさい、イザナミから声を掛けたのが原因で、不具の子が生まれました。
この、生まれた神を『水蛭子(ひるこ)』と呼びます。
水子に関しては、非常にデリケートな部分も含まれますが、水子供養とはどんなものか、どんな心持ちでいると良いのか、祟りはあるのかなどを、今から詳しくひも解いていくので、ぜひお読みください。
水子とは?
まず、水子について触れておきましょう。
先ほども言いましたように、神話では、イザナギとイザナミが、不具の子だったため、オノゴロ島から、葦(あし)の舟に乗せて流しています。
ここから、流産という言葉が生まれています。
一般的に水子供養というと、胎児を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、12歳以下で亡くなった子供すべてを指します。
流れてしまった子供も含め、不慮の事故や病気で、天国へ旅立ってしまった子供さんも、みんな水子と呼びます。
『宿る』ということ
あかちゃんの未来は、宿ったときにすでに決まっているといいます。
つまり、『天に帰るか』『生まれるか』です。
不慮の事故で流れてしまったあの子も、あなたの意志で堕ろしたあの子も、すべて『そうなることを理解して』宿ってくれたのです。
とても、勇気のあることだと思いませんか?
そこには、あなたの将来に必要な学びがそこにあり、糧(かて)として生きていかねばならない課題が必ずあるのです。
一瞬でも母になれたことを誇りに思って、水子供養をしてあげましょう。
あかちゃんが望んでいることを理解する
あかちゃんを失うというのは、非常に悲しいことです。
どんな状況であれ、お母さんにとって子供を失うのは、心臓を引き裂かれるほどの痛みを伴います。
そして、一生自分を責め続けるのです。
『あのとき、私が強かったら』
『もっと、気をつけていればよかった』
でも、それは違います。
あかちゃんが望んでいるのは、後悔ではありません。
魂の進化なのです。
あなたの学びは、悲しみに耐えることかもしれません。
命を理解することかもしれません。
水子供養の大切さを、伝えていくことかもしれません。
そのことが、あかちゃんの目的なのです。
怨んではいないの?
『この世に出てくるために宿ったのだから、私は怨まれているはず』
と考える方も、少なくありません。
でも、よく考えてください。
あかちゃんに、恨みつらみ、なんて言葉は似合わないですよね?
それは、この世に生まれた人が持つ感情なのです。
さきほど、あかちゃんは天に帰ることを前提として、宿ってくれている、と申し上げました。
純粋なあかちゃんの魂は、普通の人間が持つような感情など、持ち合わせていないのです。
それは、あなた自身が、自分を責め続けるために作り出しているのです。
ご自分を責めるのは、水子供養から遠のくこと。
あかちゃんは、怨んでなんかいませんよ。
体調がすぐれないのは祟り?
子宮の調子が悪くなると『流産・堕胎』のせいかしら、と思い、『水子供養が足りていないからかしら』と、不安になることもあると思います。
さて、ここで考えてください。
そもそも、水子供養とはなんでしょうか?
お葬式もなければ、埋葬もありません。
生まれていないので、夫の理解を得ることができない人も多く、他人には知られたくない、とお思いの方もたくさんいらっしゃるでしょう。
つまり、自分の中での『区切り』がつきにくいのです。
お寺で供養してもらっている方は意外と少なく、供養してもらっても1回きりですから、罪悪感だけが残っているんです。
その罪悪感から生まれるのが、祟りです。
産んであげられなかった自分を責めているのです。
あかちゃんは、純粋な魂ですので、天国へ導かれています。
2人目は生まれ変わり?
ヒンドゥー教や仏教には、輪廻転生という言葉があります。
死んであの世に行った魂が、この世に何度も生まれ変わってくるという考え方ですが、この生まれ変わりは200~500年ほどかかると言われています。
ですから、2人目ができても、生まれ変わりではないとお考えください。
むしろ、そう考えないように、この期間がもうけられているのです。
もし『生まれ変わりだ』となったら、水子供養はどうなってしまうのでしょう?
罪悪感から解放されることは、良いことです。
ですが、逝ってしまった水子にとらわれすぎてはなりません。
先に逝ってしまった水子は、妹弟ができるのをとても楽しみにしているのです。
ですから、ヤキモチを妬くなんてことも、ないのです。
いつも妹や弟のそばにいて、一緒に喜び、楽しみ、悲しみ、怒ったりして、見守ってくれているのです。
一緒に育っていっているのです。
本当の供養とは?
さて、水子供養についてと題しておきながら、少し路線のはずれたことを書いてきました。
『本当の水子供養とは何か? 』を考えたとき、1番に思いつくのは、お寺での供養ですよね?
それは、宗教上の日本の送る形であり、自分のけじめだったりします。
さきほども触れたように、罪悪感だけが残っている方も多くいらっしゃいます。
本当の水子供養とは、忘れないこと。そして、とらわれないことです。
もしあなたが、あかちゃんの立場だったら、どうでしょう?
あなたを思い、悲しみ、体調不良で寝込んでしまい、私が悪かったんだと責め続けるのをみて、天国に旅立てますか?
あかちゃんは、あなたに元気でいてほしいのです。
あかちゃんのことを理解し、自分を高めていくのが、1番の水子供養なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
上記を読んで、少し気持ちが楽になったのではないでしょうか?
その気持ちが、本当の水子供養になるのです。
お寺で、お経をあげていただくのはもちろんですが、母親がいつまでもうなだれていては、いけません。
あかちゃんは、あなたに贈り物を置いていってくれました。
それは『経験』です。
悲しみを強さに変えた今、あなたは本当の出発点に立ったのです。
実は、あの世であかちゃんの面倒をみてくださっているのは、お地蔵様です。
もし、お地蔵さまを見かけたら
『うちの子が、いつもお世話になっています』
と、ご挨拶されてみても良いのではないでしょうか?