笑ったり、怒ったり泣いたり、そしてまた笑い出す・・・いろんな出来事にわたしたちは日々遭遇します。
わたしたちは、その出来事に対していろんなことを感じます。たとえ、同じ出来事であっても、その出来事について感じることは人それぞれです。
出来事に対して私達の中からフツフツと湧き上がる想いを『感情』といいます。この感情をもとにわたしたちは、十人十色の表現をします。
たとえば、思わず、人に言わずにはいられなくなるひと。あるいは、自分のこころにそっと止めておきたいひと。場合によっては怒りを抑えきれず、人に対して暴力を振るってしまう。あるいは、自分に対する暴力―過食や拒食をしてしまう。
これらは、明らかに反社会的な行動になります。このような行動を繰り返す結果、多くの人が自身の人生を台無しにします。これではそのひと個人だけではなく、周りの人などの環境にさえ影響を及ぼすため、決してよいことではないでしょう。
感情は、あなたがもっとあなたらしくなるためのヒントがたくさん隠れています。たとえ怒りであったり、人に対する憎しみであったとしても、それはあなたにとって、すべて大事なものであり、感じてよいものなのです。いかなる感情もあなたにとって大事なものなのです。
問題はその感情への対処の仕方、表現をする方法です。感情がどうして沸いてくるのか、そして、どうしてその感情にして表現や行動をするのか。
本来、人は皆、心から湧きあがってくる『感情』とうまく付き合うことが出来ます。3つのワークを通じて感情と行動のしくみを理解していきましょう。
それでは、感情とうまくつきあい、あなたらしい人生をおくるために3つの方法を紹介させていただきます。
リラックスした身体
リラックスしている状態は、あなたがあなたらしい時であり、もっとも力が発揮できる状態です。
背をそらして座っても倒れないイスを用意しましょう。適当なイスがない場合は、あぐらをかいて、バランスがとれる場所に座ってください。
・イスに深く座り、大きくゆっくりとあなたのペースで深呼吸を3回してください。
・首を後ろ側へそらし、背もそれにそってゆっくりと背もたれから肩をはみ出させてください。
・その状態で左右に両腕を大きくひらき、胸を開いてください。
・背中をそらしたまま大きく深呼吸をしてください。
・そして首と頭もそらし、上半身の力を抜いてください。
・もう一度深呼吸をしてください。
背中が痛い人は、いつもがんばりすぎて無理をしている人です。決して無理せず、痛気持ちよい程度にゆっくりと胸をそらしてください。
背中が痛いなど身体に以上がある場合は、無理をせず、途中でとめて起き上がってください。何度かゆっくりと繰りかえすうちに、徐々に身体が慣れてきます。
あせらずゆっくりご自身が心地よいと感じるペースで行ってください。今どんな気持ちがしますか?
・起き上がってください。
・座りなおして、もう一度ゆっくりと背中をそらし、両腕を左右に開き深呼吸を好きなだけしてください。
では、いつも怒りの感情が止まらない事柄を思い浮かべてください。どんな気持ちになりますか?
なんだかもうどうでもいい、という感情が湧きあがってきませんか? もし、そうなら、それはあなたにとって、本当はどうでも良いことなのです。
ですから、怒りを感じた時や、ちょっとしたことでイラついて仕方がない時は、少しだけ胸を開くようにして、この感覚を思い出してください。落ち着きを取り戻すことができるでしょう。
一方で、怒りの感情がなくならなかった方もいたでしょう。その場合は、それはあなたにとって、とても大事な怒りなのです。その怒りの感情を大事に扱ってください。
そして少しだけ考えてみてください。それはあなた個人の努力で解決できることでしょうか。それともあなたひとりで解決できない事でしょうか?
大好きな音
いかなる問題もあなたがとり扱えるような、解決できるものにするにはどうすればよいでしょうか?
リラックスした身体とともに、あなたが大好きな歌や音楽の助けを借りることにしましょう。
もし、今、プレーヤーでその音楽などを流すことができれば流してください。また、音楽ではなく、人のこえや大好きな人やペットの声でもかまわないです。
好きな音がない、という人は海のさざなみの音、あるいは、山の中小鳥のさえずりなど想像しやすい音を自分の中に作り出して流してみてください。どうしても大好きな音を作り出すことが出来ない場合は、インターネットやYoutubeで検索をかけてみてください。かならずお気に入りの音を見つけ出すことができます。
もう一度、リラックスしたわたしになりましょう。
・深くイスに腰掛け、背もたれに背中をあて、ゆっくりと背中をそらしてください。
・背中を大きくそらし、肩、頭がだらりと垂れ下がった状態です。
・その状態で大好きな音が聞こえてきます。
・ゆっくりと好きなだけその音楽とリラックスした状態を味わってください。
・こころが軽くなり、豊かなきもちになれたら、ゆっくりと起き上がってください。
テスト
とてもいやなことや、おもいだしても怒りがこみ上げてくる出来事を思い出してください。ここで、最初のリラックスしているあなたになってみましょう。
背中をそらさなくても、腕を後ろに下げ、胸を少し開くだけでも大丈夫です。どうでもよいことになりましたか? それともまだ、怒りがこみ上げてきますか?
怒りがこみ上げてくる場合、リラックスした状態のあなたはどんな対応をしていますか?
言葉に出してみてください。その言葉を紙に書いておいていただくとよいでしょう。出来る方は絵に描いてみてください。
今度は 次の大好きな音楽をきいているときにあなたならどんな行動をしますか? その行動は現実的にあなたができることでしょうか?
もし、現実的に出来ないことであれば、できる方法を教えてもらうように頼んでみましょう。そして、ここで答えが出なくても、決してあせらないでください。
これから、ふと目にしたもの、耳にしたもの、触れるものがあなたに答えを見出すきっかけを与えてくれます。その瞬間は必ず訪れますから、辛抱強く、そして自分の周りにおこる出来事に自分がどんな反応をしているかしっかりと観察してください。
あなたの感情があなたの五感を通じて気付きをあたえてくれるまで待ちましょう。
まとめ
いかがでしたか?
感情に隠されたシグナルを感じ取ることができたでしょうか?
この感情に心地よさを感じる事ができるようになれば、もっとあなたらしくなる事ができるでしょう。ぜひ、活用してみてください。
あなたといつも一緒にいる『リラックスしたからだ』と『大好きな音』が、あなたが本当に求めていること、大好きなことを教えてくれることでしょう。
自他ともに活かす充実した人生をおくるために、感情は常にあなたをサポートし、よい導きをしてくれるあなたの生涯のパートナーです。
感情とうまく付き合うことが出来るようになったあなた。そんなあなたは、もうすでに『大好きなわたし』になった人です。