サブモダリティーとは、NLP(神経言語プログラミング)における最も重要な要素の1つです。
NLPというと自己啓発などにも一部取り入れられていますが、コミュニケーションや心のありよう(持ち方)を中心として研究されている心理学なので、ビジネスやスポーツ教育関連など幅広い分野で活用されています。
今回は、そのNLP(サブモダリティー)について紹介します。
NLPってなんだ!?
NLPの土台はモデリングです。
例えば、『成功したければ成功者の思考や行動をまねて実践してみよう』とよくいわれますが、NLPもまさに同じで各分野のひいでた方々の思考や行動パターンを解析して、そのモデルたちの脳の使い方から正しい脳の使い方を研究.解析してきた学問なのです。
日本では、『神経言語プログラミング』などと訳されていますが、ここでいう『神経』は視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感の事を指します。『言語』はそのままの意味で言葉です。つまり、人をPCに例えると、特定の入力(五感や言葉)に対して正確に起動するプログラムがある事を意味しています。
では、そのプログラムはどこに書き込まれていくのでしょうか? あなたは、プログラムを書き込んだりした自覚がありますか?
ないはずです。人間の行動プログラムは無意識という意識できない領域に書き込まれてしまうのです。だから制御ができないのです。
この無意識下に書かれたプログラムを解析する事が、NLPの手法を用いれば可能になるのです。無意識下に埋め込まれたプログラムに良い意味でも悪い意味でも翻弄されないで意識的にコントロールできるようにしていく学問ともいえるのです。
人はイメージによって苦しめられている
あなたの周りに“犬の嫌いな方”はいませんか? その人達に話を聞くと、幼児期に犬に対して噛まれたとか、吠えられてとても怖い思いをした。という幼児体験をした人が多いようです。
この体験をしたときに、脳に“犬が怖い”というプログラムが書き込まれてしまったのです。そして犬を見るたびに、例えその犬が小さな小さな子犬であっても無意識下にあるこのプログラムが正確に働いてしまうのです。
言い換えれば、あなたは小さな小さな子犬に噛まれたときの、後ろから吠えられたときの怖い怖い犬のイメージを見ているということになります。これが苦手意識の正体です。
閉所恐怖症や水辺恐怖症なども、このようなプロセスでプログラミングされていきます。人は、強い恐怖や強い喜び.くり返される習慣などで無意識下にプログラムを作ってしまいそれをイメージで発動させているメカニズムを持つ動物であるという認識をもっておきましょう。
イメージを構成するもの『印象』『意味』
①印象が反応を引き起こすケース
肉親(例えば父親)との関係が悪い人がいるとしましょう。この様な方は、無意識下に『父親=危険.苦手』というプログラムを作っている可能性があります。
そのプログラムだけでなく、脳は一般化という特徴があるので“父親に(容姿やしぐさ、言動)似た人(例えば上司)”も危険.苦手というプログラムを当てはめてきます。(犬で説明すると小さな小さな子犬も犬という一般化がおこっています。)
これを脳の安全安心を確保する学習機能といいます。
その為、父親をイメージする人(上司)に遭遇するとその場から逃げたいとか、落ち着かないなどの身体的な反応を引き起こしてしまうのです。
②意味が反応を引き起こすケース
自分自身の価値観も時として、身体的反応を起こすプログラムになるケースがあります。
『仕事での決断はすばやく行わなければいけない。』という上司と仕事をする時間が長かった場合、ジックリ検討する人は優柔不断に見えたり、怒りや嫌悪を感じたりイライラしたりする身体的反応を生じさせてしまう。
つまり、イメージを変えるためには『印象』や『意味』のどちらかを変えてあげれば苦しいイメージを良いイメージに変換できるかもしれない可能性が出てくるのです。
イメージをサブモダリティーで明確にする
イメージを明確にして定着.リライト(書換え)させていくのに効果的なのがサブモダリティーです。
苦手意識や嬉しいイメージなど無意識下にプログラム化されているものは、出来事とそれに付随している印象によって構成されている場合が大半です。
印象とは『見えるもの』『聞こえるもの』などの五感情報でできています。この五感情報を明確につかむことがサブモダリティーです。そして、この五感情報をチェンジさせていくことで苦手意識の克服や良いイメージのより強固な定着に役立てるのです。
つまり、先ほどの父親に似ている上司も、父親に似ている上司その人に違和感を感じているわけではありません。その上司のしぐさや風貌などが父親をイメージさせてしまうから違和感を感じてしまうのです。
であれば、その上司にまとわりついている『表情』『姿勢』『服装』『背景の色』など父親をイメージさせる五感要素を1つでも変化させてみるのです。
『表情』を父親が常にしている眉間にしわを寄せた表情と重ねないで、上司が高笑いしている笑顔の表情に変えてみたり、苦手意識によって背景が暗い場合は、背景を金色にして光り輝かせてみるなど頭の中でイメージをいい方向に変換しなおしていくのです。
そうすれば、もっていた違和感や苦手意識が緩和していくはずです。
せっかく苦手意識を克服するヒントを掴んだので、これを活用しない手はありませんね。活用方法については別の『サブモダリティーってなんだ!?あなたもできる5つの使い方』で紹介していきます。