のびのびとしていて屈託なく、いつでもだれにでもまっすぐに向かってくる子ども・・。親であるなら誰しも、そんな我が子の『子どもらしい』時間やこころの状態を守ってあげたいと願うものです。
それでも、子どもたちを取り巻く周囲の環境が大きく変わってゆく中で、これは容易なことではありません。
子どもたちにかかるプレッシャーやストレスは大人並みともいわれているこの時代、子どもに自信をつけるのは親にとって確かに挑戦です。しかも、自信は子どもの中に一夜のうちにできることではありません。
親として子どもに自信をつけるために出来ることは、何があるでしょうか?
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子供に責任を担わせる
どうすれば責任を担うよう子供を励ますことができるでしょうか。
とてもよいひとつの方法は、家事の手伝いをさせることです。自分ひとりで済ませるほうが、何倍もスムーズに、しかも望みどおりに行えることを考えると、子どもを家事に加わらせようとは、なかなか思えないかもしれません。
でも、ごく簡単な家事さえ行えないまま育ってしまった我が子の姿を想像してみてください。
親であるあなたが少し余分に子どもと過ごすその時間は決して無駄にはなりません。お子さんがもう自分ひとりでできるはずなのに、まだあなたがついつい手出してしまう分野があるならば少しずつ、託してみてはいかがでしょうか。
ほかにも、例えば、お子さんがペットを飼いたいと言っているなら、それはとてもよいチャンスと言えます。犬を飼うことを許すなら、きちんと犬の世話をすることはもちろん、与えられたおこづかいの中から犬のえさ代をまかなうことも、その責任の中に含めることができるかもしれません。
もしも、責任をきちんと果たすことを子どもが難しく感じているなら、どう反応するべきでしょうか。とにかく、やる気をそいではいけないと、真っ先に思ってしまいますか?
失敗や挫折などから子どもを保護することは、子どものためにはなりません。
あなたが毎回登場して、責任を肩代わりするなら、それは子どもの中にどんなメッセージを伝えていることになるでしょうか。
『大丈夫! きっとできるよ、お母さんは信じているよ』
それとも
『この子、まだ自分で何もできないから、わたしが親として全部助けてあげないといけないのよね』
いかがでしょうか?
どちらが子どものうちに自信を生じさせるかは明白です。ですから、失敗してしまったときには過敏に反応しないようにしましょう。そこから抜け出す道を子どもが切り開いてゆくのを助けてあげましょう。
子どもは自分に期待されていることを知っている必要があり、その責任を果たすことで味わえる達成感を味わう機会が多いほど、自信がつくのです。
ほめ方に気をつけて!
子どもが『責任を果たす』という上記の点を努力し始めるとき、大切になってくるのはこの点です。
子どもが自分の仕事を上手に果たす時、あるいは少なくともそうしようと努力する時には、惜しみない心からの褒め言葉をかけて励ましましょう。
子どもの頑張りが、たとえ親であるあなたの期待にそわないとしても、少なくともやってみたことを褒めてみるのはいかがですか?投げ出さなかったことをぜひ、褒めてあげてください。
このとき、むやみやたらに子どもを褒めることがないように注意しなければなりません。
子どもをガッカリさせてはいけないと思うあまり、ただ自信をもたせるためだけに、褒めてしまう危険があるのです。さほど努力をしていないのにもかかわらず、親から褒められている子どもは、『自分は評価されて当然。自分は特別扱いされて当然』という意識を強くもつようになるかもしれませんが、もしそのまま育ってしまったらどうなるでしょうか?
社会に出て、仕事を習得してもいないのにすぐに昇進することばかり考えているなら、その子は、周りがそうは考えていないことを知るとき、簡単に立ち直れないほどのひどい落胆を味わうことになるでしょう。
ですから、子どもが小さなうちから、これまでできなかった何かを行なおうとしているその努力や、新しいことを習得しようとしているその過程や、努力を投げ出さなかったことに是非目を留めてあげてください。そこを褒めてあげてください。たとえ痛みや、失意を経験するとしても、それを耐えることは可能だということを経験させてあげるのも大切なことです。
才能をみがいてゆくことや、新たな物事を習得すること、また困難を耐えることに対して与えられるほめ言葉は、子どものうちに周囲に左右されることのない自尊心・自信を培わせるのに大いに役立ちます。
親の価値感を伝える
何かを言いつけるときに、小さな子どもであれば、『お母さんがそう言ったから』と言うだけの理由でもきっと従うことでしょう。
でも、いつまでもそれではすみません。
成長してゆく過程では、ひとつひとつの段階で何かを行う理由、親自身のポリシーのようなものを、しっかり伝えることが大切になってきます。
そしてこれが、子どものうちに、安心感を伴う自信を培わせるのに役立つのです。
ずっと昔ならきっと、何が正しいことで何が間違いかという規準がはっきりしていて、自分も周りの人々のそれも大して代わりがなかったのですが、今は人々が、自分それぞれに規準を持つようになっています。
『自分のしたいように』がそのまま自分流ルールになってしまう時代・・・・。
人格形成する時期には、子どもは大いに揺さぶられることになります。もっと大きくなって人生の指針のようなものを必要とするようになるとき、子どもには『わたしはこう思う』とはっきり主張することのできる自信をもっていて欲しいものです。
揺るぐことのない価値感を子どもが築いてゆく上で一番助けになるのが、親の価値観なのです。
親の価値観を伝えると言ってもそれは、子どもにその親の規準をおしつけるということとは違います。強引なセールスマンがしつこく売りつけようとすると、その品物がたとえ魅力的でも、相手の態度のせいで、かかわりたくないと思うのと同じです。
ですから、子どもの生活を完全にコントロールしたり,小さい時のように親の価値規準にただ従わせたりするのではなく、正しい行動を取ることの『価値』を理解できるよう助けてあげてください。
何かを決定して、判断してゆくのに必要となる、この『価値観・ルール』を持っている子は安心感も抱けるようになります。時々、それを調整しなければならないとしても、その安心感、自分の中に規準をもつことからくる自信は失われることはありません。
まとめ
いかがでしたか?
子どもに自信を持たせたいと思ってはいても、親自身、確信をもって子どもを導いてあげることなどできないと思えるかもしれません。
実際、子どもに自信を持たせる近道はないのでしょう・・。それでも、ひとつひとつのステップは親であるあなたの願いをあらわすものです。そうです、子どもを助けてあげたいとのあなたの愛情をぜひ、表し続けてくださいね。