みなさんは『運命』について、考えたことはありますか?
実際に起こったことに対して、これは運命だったんだと思ったことはあるでしょうか?
では、『宿命』については、どうですか?
『宿命』は『運命』よりも言葉に重みがありますよね。
同じような言葉ですが、少しニュアンスが違っています。
今回は、『運命』と『宿命』の言葉の意味をまず理解し、その違いから今後の人生での心のあり方を一緒に探っていきたいと思います。
運命とは、変えられるもの
『運命』とは何でしょうか?
辞書を引くと、意志にかかわりなく巡ってくるもの、めぐりあわせ、などと書かれています。また、転じて、将来のなりゆき、などの意味もあるようです。
ここで注目したいのは、将来のなりゆきという意味があること。
これは、私たちの人生の将来=未来、を表す言葉とも考えられます。
私たちは、自分の未来について、詳しく知っているわけではありません。
人生にはいろんな選択肢があり、そのどれを選ぶかによって、未来は少しずつ変わってくるはずです。
そう考えると、『運命』とは、自分の意志で変えられるもの、つくっていくもの、と言えます。
宿命とは、変えられないもの
では『宿命』とは何でしょうか?
辞書を引いてみると、前世から定まっている運命、などとあります。
前世から定まっている、つまり、生まれる前から決まっている、私たちにはどうすることもできないものである、といえます。
これは『運命』とは違い、『宿命』は変えられないもの、と考えられます。
『運命』と『宿命』の違い、それは自分の意志で変えられるか変えられないかの違い、といえるでしょう。
運命と宿命の違い
では、自分で変えられないものとは、何でしょうか?
それは例えば、女であること、日本人に生まれたこと、産んでくれた両親などです。これが『宿命』です。
対して、『運命』とは、通った学校、選んだ仕事、付き合っている友人など、私たちが生まれてからずっとつくってきた人生であり、これからつくっていく未来のことでもあります。
『宿命』は生まれる前に決まったこと、『運命』は生まれた後に決めてきたこと、という違いなのです。
宿命という言葉に責任転嫁してはいけない
では、『宿命』は自分では変えられないものなのだから、『宿命』について考えることは、無駄なことでしょうか?
現在の私たちは、平和な時代に生きていますが、もしこれが戦争中だったなら、どうしてこんな世の中に生まれてきてしまったのだろう、と思ったかもしれません。
どうせ変えられないからと、そこで考えることを止めてしまうのは、誰にでもあることです。
しかし、これが『宿命』なのだと思うとき、私たちは現在の状況を分析したり、考え抜いたりすることをストップして、『宿命』という言葉に責任転嫁しています。
宿命は運命のスパイス
また、生まれる前から決まっていたんだから、努力しても仕方がない、何をやっても無駄なんだ、という考えは、自分の意思を価値の低いものとみなしています。
このとき、私たちの未来に関してある、たくさんの選択肢について考えることを、放棄してしまっています。
たとえ苦しい状況であろうと、自分のありのままの姿を受け入れ、それを踏まえて生きていくこと。
言い換えれば、どんなときでも、自分の自由な意志について自覚し、行動していくことがとても大切です。
現在の自分自身もまた、私たちが無数の選択をしてつくってきた、過去の積み重ねであり、変わり続ける『運命』の一部なのです。
影響しあう運命
さて、私たちは、いろいろな人に囲まれて、現在を生きています。
そして、彼らに対して、ときどき、あの人がこうだったら、などと考えることがあります。
ですが、私たちがつくれるのは、自分という個人の『運命』だけであって、他人の『宿命』を変えることや、『運命』をつくることはできません。
しかし、つくることはできなくても、『運命』に影響を与えることはできます。
お互いに影響を与えあうことができるところもまた、『運命』と『宿命』の違いなのです。
そして、全ての出会いは、私たちが思いどおりにつくってきた『運命』の結果なのです。
希望のある運命
こう考えてくると、『運命』はコントロールできるのだという、ポジティブな気持ちになりませんか?
それと同時に、『宿命』に対して、受け入れる覚悟のような、あるいは対決する決意のような気持ちが湧いてきませんか?
不満があっても変えられない『宿命』とは違い、どんなときでも、『運命』は私たちがつくっていくものです。
確かに、ときには、悲しいことや辛いことも起こります。また、時間や環境など、さまざまな要因から影響を受けています。
でも、常に現状を受け入れ、考え、行動し続けていれば、それ以上の喜びや幸せが起こりえるのではないでしょうか?
その希望を忘れてはなりません。
まとめ
いかがでしたか?
『運命』と『宿命』では、私たちの自由な意思の関わりかたにおいて、大きな違いがあります。
どんなときでも、自分で選んだとおりの『運命』が、この瞬間もつくられています。
自分の素直な気持ちを、より多く反映させた『運命』を、つくっていきたいですね。
目から鱗が落ち、これからの大切な命を大切生きて往きます、有難う御座いました。