あなたは、スピリチュアルケアという言葉を聞いたことがありますか?
占いや霊視のような、一般的に連想されるスピリチュアルとは意味が異なります。
スピリチュアルケアとは、死を間近に感じた患者やその家族に対して行う精神的なサポートのことを言います。
この世では、命あるものは必ずいつか死を迎えます。
頭ではわかっていても、突然やってくるそれは、本人にとっても家族にとっても、簡単に受け入れられるものではありません。
死を身近に感じると、存在意義への自問自答、喪失感、不安、恐怖、孤独感、いらだち、などが生まれます。
それを「スピリチュアルペイン」と言います。
たとえば、死を目の前にした患者さんは、失われる未来に悲観し、生きる意味を見失ってしまうことがあります。
失われるであろう未来をも超えて、さらにその先の意義を見出すことで自分の存在意義を回復するために、「スピリチュアルケア」はあります。
体の痛みではなく、魂の痛みに寄り添うケアが、スピリチュアルケアなのです。
スピリチュアルケアを理解するためには、関係性、時間性、自律性の3つの次元から考える必要があります。
1つでも崩れてしまうと、バランスを保てなくなってしまうからです。
それでは、スピリチュアルケアとはどういうものなのかを詳しく見ていきましょう。