セレンディピティは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという『現象』ではなく、何かを発見をする『能力』を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運を掴み取る能力のことである。
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有名なセレンディピティの例として、ペニシリンの発見があります。
アレクサンダー・フレミング(イギリス)は、ブドウ球菌のという最近の研究をしていた際に、実験のために使う細菌を培養していたところ、ある日、細菌が繁殖している培養器のなかに青カビを発生させてしまいました。
普通なら青カビ発生しているのを見つけた瞬間、実験に使えないから、捨ててしまうところなのですが、フレミングはただの失敗では終わらせませんでした。
青カビのまわりでは細菌が繁殖しないことを発見し、病原菌を 退治する働きのある画期的な抗生物質『ペニシリン』をカビから抽出する事に成功しました。
青カビが発生したのは、偶然だったかもしれませんが、それを『幸運な発見』に結びつけることができたのは、フレミングが『何かを発見して研究に生かしてやろう』という『積極的な思考』を持ち合わせていたからに違いないです。
その他にもこんなにたくさんの例があります。
- アルキメデスはお風呂からあふれる水を見て、浮力の原理を発見した
- ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を発見した
- ワットは排水溝に引き込まれていく水を見て、改良蒸気機関を発明した
- グットイヤーはネコに投げつけたゴムをヒントに加硫法を発見した
- レントゲンは蛍光板の不思議な光に気がついて、X線を発見した
- ノ-ベルは漏れた液が土で固まるのを見て、ダイナマイト製造法を発見した
- 湯川秀樹は天井の模様をキャッチボール中に思い出し中間子論を発見した
- 白川英樹は実験で触媒の量を間違えて、導電性高分子の発見した
- 飯島澄男は誰も注目しなかった煤の中から、カーボンナノチューブの発見した
- 小柴昌俊氏は違う目的で開発された観測装置でニュ-トリノを発見した
- 田中耕一は実験の間違いから、高分子質量分析法(MALDI法)を発見した
- ポリエチレンは偶然入り込んだ酸素によって、その合成が発見された
- ポストイットメモは、楽譜から落ちるしおりをヒントに発明された
- 電子レンジはマイクロ波の実験中にチョコが溶け出したことで発明された
- サランラップは、軍事用品の失敗作を主婦が利用して発明された
- 折りたたみ傘は、びっくり箱から飛び出る人形がヒントで発明された
- 早川徳次(シャープ創業者)は、町で偶然見かけた米国製ラジオから国産1号機を開発した
- 本田宗一郎(ホンダ創業者)は、無線機発電用のエンジンを自転車に載せてバイクを開発した
- 井深大(ソニー創業者)は、偶然居合わせたニューヨークでトランジスタに出会い実用化した
この発明も、もちろんすごいですが、それよりも、その偶然の瞬間に『気がついた』ことが、すごいと思います。
上に示した例は、歴史に残る大発見です。だから、自分には関係ないと思うかもしれません。
でも、それは違います。
わたしたちの周りにも、人との出会いや仕事との関わりなど、じつに多くの偶然が存在しています。
日常のいたる所に存在する、こうした偶然のチャンスにいかに気づくことができるか。
それは、わたしたちの考え方(思考)ひとつで大きく変わってくるのです。偶然を必然に変え、幸運を手に入れる準備をして行きましょう。